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               国際短編映画祭につながる「ショートフィルムの原案」公募・創作プロジェクト 奇想天外短編映画 BOOK SHORTS

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Category 小説

小説

『ナスビ島』義若ユウスケ&とじひも(『トロール民話』)

ツイート  目がさめるとパサツグネ・バサ子はひとりぼっちでした。あら寂しいわ。でも、いつものことね。心のなかでそうつぶやいて、彼女はおおきくのびをしました。つめたい朝の空気が渦をまいてパサツグネ・バサ子の肺にながれこみま […]

2019/02/07
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小説

『鈍い痛み』黒藪千代(『一寸法師』)

ツイート  終電を降りて最終バスに乗るために走った。  バスを降りて家路への道を歩きながら見上げた空には、虹色に光る真ん丸の満月が辺りを照らしていた。  思いがけない光景に連日の残業の疲れがほんの少し癒される。  この三 […]

2019/02/07
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小説

『ギア』広瀬厚氏(『歯車』)

ツイート  それは幻覚とかそう言った類いのものでは決してない。僕がギアになる。と言おうか、この世界が悉くギアとなる。大小無数のギアが嚙み合い回り動いている。一切合切関連し合い、畢竟するに一も多もなく無限大のギアが回る。 […]

2019/02/07
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小説

『不可解の国からの不思議な声』洗い熊Q(『不思議の国のアリス』)

ツイート  私には未だに秘密にしている事がある。  十三歳になったばかりだった頃の話。  その当時、持っていたおどけた顔でユニークなウサギ時計。お腹をくり抜いて時計になっている目覚まし。  コミカルで幼げな印象を与える時 […]

2019/02/07
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小説

『真行寺美鶴は恩返せない』柘榴木昴(『鶴の恩返し』)

ツイート  「きゃあ」  突き飛ばされてぺたりと尻もちをついたのは、落としたソフトクリームの上でした。  なんだっていつもこんな目に合うんでしょう。傘を持って出れば雨がやみ、コンビニに忘れたと思えば降り始める。戻れば盗ま […]

2019/02/07
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小説

『おきなさい』柴垣いろ葉(『檸檬』)

ツイート 「おきなさい」  私が朝目覚めると必ずと言っていいほどこの言葉を何度も耳にするわけであるが、それというのも私がああ朝が来たのだと自覚することには身体はずっしりと重く、頭の中は、さっき見ていた夢(それが悪かろうが […]

2019/02/07
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小説

『アーサー王と抜けない聖剣』田口浩一郎(『アーサー王伝説』)

ツイート  ざっくり西暦500年ごろ、余はとんでもない剣を引き抜いてしまった。 「あー、いい剣みっけ」ぐらいの本当に軽いノリだった。  それというのも、兄上が馬上試合に出るための剣を忘れたからだ。  宿舎を探したが兄の剣 […]

2019/02/07
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小説

『空蝉の部屋』緋川小夏(『檸檬』)

ツイート  ざりり。  乾いた感触をつま先に感じて歩みを止める。そこには干からびた蝉の死骸が転がっていた。  近ごろ、あちこちで蝉の死骸を見かける。コンクリートとアスファルトに覆われた都会の街並みの一体どこに、これだけの […]

2019/02/07
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小説

『ただ、単純に。』鷹村仁(『しろいうさぎとくろいうさぎ』)

ツイート  彼女が嫉妬深くなったのはあるきっかけからだった。同じ職場で働き、惹かれ合い、恋愛の後に結婚した。彼女はそのタイミングで仕事を辞めた。  同僚の土井が写真を見ながら眉間にしわを寄せている。 会社の帰りに喫茶店に […]

2019/02/07
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小説

『とある夫婦とブランコ』鷹村仁(『夢を買う』)

ツイート  12月。世間がせわしなく動いている時に旧友の和也に呼び出された。そして喫茶店で聞いたその内容に私は戸惑った。 「先生?」 「そう。どう?」  スーツを着た和也は胸ポケットから名刺を出してくる。そこには『JOI […]

2019/02/07
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小説

『ブルーベルベット』義若ユウスケ&かいかなみ(『スーホの白い馬』)

ツイート  オムライスの湯気でスプーンがくもる。 「オムライスの湯気でスプーンがくもっちゃったよ」とぼくはむかいの席の花子につげる。  花子はハンバーグを口にはこびながらふふふっとほほえんだ。 「なんてことないわ」と花子 […]

2019/02/07
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小説

『澄んだ風と感情の具象化 アニメ的な挿入・エピローグ』誰何苹果(『老人と海』)

ツイート  才能がある。僕には才能がある。そんな思い込みも、いよいよ難しくなってきた。こいつを成功させないと、僕の信じた使命が幻と化すかもしれない。五十歩ほど先には雄々しいライオンがいた。  雄々しい、と言っても雄ではな […]

2019/02/07
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小説

『カメトオトヒメ』志田マイ(『浦島太郎』)

ツイート  俺はカメラを抱えて海岸を歩いていた。砂浜を歩きながら波の音を聞く。仕事道具が詰まったリュックサックを背負い、時折立ち止まってはレンズ越しに海を眺めていた。  空は少しずつ青に橙が混ざり、紺色に染まっていく時分 […]

2019/02/07
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小説

『天と地を求めるように宙を舞う指』もりまりこ(『蜘蛛の糸』)

ツイート  カンちゃんの青いリブ編みのセーターのあたりからは細い糸のようなものがくっついてる。 名残りみたいなもの。時々それに触れたくなるのだけれど、がまんする。  その細い糸は、てらてらと光っている。  でも他の人には […]

2019/02/07
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小説

『腫れ物地獄と純粋めいた愛』あざらし白書(『笠地蔵』)

ツイート 人生で一番とか二番とか、みんな、どうやって決めて生きているんだろう。 一番好きな食べ物はこれ。一番好きな場所はここ。一番好きなのはアイツ。そういう意思決定全部において、急に自分自身が信じられなくなって、途端に足 […]

2019/02/07
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小説

『the study』阿部哲(『聖書・創世記』)

ツイート  明日から夏休みという日の夕食の最中、思い出したようにパパが口を開いた。 「たかし、自由研究のテーマはもう決めたのかい?」  たかしはナポリタンのフォークを止めてパパに応えた。 「いや、なんにも考えてないよ、パ […]

2019/02/07
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小説

『白雪姫と多勢に無勢のこびとさん』島田悠子(『白雪姫』)

ツイート 「それでは、今日の学級会は以上で」  クラス一存在感がない学級委員長の瀬戸翼が切り出すと、それをかき消すように大島あずが叫んだ。 「意義あり! 意義あり異議あり異議あり! 学級会は続けるべきです!」  私は飽き […]

2019/02/07
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小説

『鉢姫花伝』三号ケイタ(『鉢かつぎ姫』)

ツイート  この鉢は外れない。  物心ついた頃から私の頭にかぶさっていたのは、鉢だった。ごまや、山芋なんかを擦る大きな鉢が、私の頭についているのだ。いつからその状態なのかは分からないが、それに慣れて生活していたせいか、そ […]

2019/02/07
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小説

『アババババ』三角重雄(『あばばばば』)

ツイート  コンビニのレジの列に、私はFRISKを手にして並んだ。  私の前には二人、計算上、私のレジはあの子になる。私はFRISKを差し出しながら、 「あと、ヴォーグのメントールください」  と言うつもりだ。あの子はど […]

2019/01/08
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小説

『冷めてゆく紅茶に涙をひとしずく』いわもとゆうき(『マッチ売りの少女』)

ツイート  みずから発光しているかのような異様に白くキラキラと光る雪が夜空から舞い降りていた。深い森のなかの舗装された二車線のまっすぐな道をひたすら奥へと奥へと車を走らせた。ようやく辿り着いた大きなゲートの前で車を止めた […]

2019/01/08
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小説

『夢千百十一夜』わそら(『夢十夜』)

ツイート こんな夢を見た。 その時の俺は母方のじいさんの三回忌で疲れていた。このじいさんは生まれた日に死んだ。だからといって生まれてすぐに死んだわけではない。生まれてちょうど99歳の誕生日を迎えた日に亡くなった。そして驚 […]

2019/01/08
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小説

『夢X夜(ゆめえきすや)』柿ノ木コジロー(『夢十夜』)

ツイート こんな夢を見た。  どの仔でも良いですよ、可愛いでしょうと店主が頭上から声を掛けてきた。ちらと顔を上げ、照明を遮って此方(こちら)を見降ろしている男に目をくれる。男は笑顔を浮かべているようだが、表情は茫洋として […]

2019/01/08
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小説

『魔女がもたらすもの』夜月朔夜(『白雪姫』『シンデレラ』『かぐや姫』『ロミオとジュリエット』)

ツイート  二人は幼い頃はずっと一緒だった。  いや、どっちかっていうと、私がユキちゃんの後ろを離れなかったんだ。  私はユキちゃんが世界で一番大好き。ママとパパ、まだ子犬だったタローよりも、ユキちゃんが好き。  ユキち […]

2019/01/08
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小説

『放課後ファイトクラブ』平大典(『力太郎』)

ツイート  放課後ファイトクラブ。  僕が高校生二年生の時に流行っていた格闘技まがいの『遊び』だ。 『放課後ファイトクラブ』のルールは簡単だった。形式は一対一。服装は上半身裸。時間は三分。パンチ若しくは蹴りのみで、寝技は […]

2019/01/08
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小説

『桃燈籠』青田克海(『桃太郎』)

ツイート  昔、昔、あるところにお爺さんとお婆さんがおりました。お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯にいきました。お婆さんが川へ洗濯をしているとどんぶらこ、どんぶらこと大きな桃が流れてきました。さてこの桃は何故流れ […]

2019/01/07
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小説

『沈黙の太陽』三角重雄(『名人伝』)

ツイート  ナーラカはほとんど法論らしい法論もせず、屈服させられてしまった。相手はビシュヌという、ヨーガに秀でたバラモンだった。  それは、近頃にないほどの、手痛い敗北だったが、最初から眼光で威圧されていたナーラカが勝て […]

2019/01/07
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小説

『何の、糸』三号ケイタ(『蜘蛛の糸』)

ツイート 「後ろに問題用紙を配ってください」  男がそう言うと、生徒たちは規則正しく問題を後ろに回し始めた。全ての席に問題用紙が行き届いたのを確認してから、男は息を吸った。 「それでは、はじめ」  そう言った後で、男は教 […]

2019/01/07
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小説

『人間犬』太田純平(『人間椅子』江戸川乱歩)

ツイート 「アア、あの人の犬になりたい」  私は金澤家の前を通る度、毎回そう思う。「自由が丘にある戸建て」と言えば、金澤家が決して枯れた民家でない事は想像がつくだろう。  キリンのように首を伸ばすと、ようやく金澤家の庭先 […]

2019/01/07
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小説

『蒸気機関車』LAP(『蜜柑』)

ツイート  姉の七回忌の帰りだった。  姉の家は観光地にあり、祝日はSL機関車が運行されることから、ホームはもちろん、駅周辺や線路沿いは人でごったがえしていた。  姉の家といっても、それは男の実家で、姉夫婦が引き継ぐかた […]

2019/01/07
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小説

『冬のウェルテルは片目を閉じて口ずさむ』柘榴木昴(『若きウェルテルの悩み』)

ツイート 2018.12.23  恋のはじまりは常に手遅れだ。  それは取り返しのつかない感情が自分を支配するという意味でも、相手にとって自分はふさわしくないと脳内で繰り返しささやかれるという意味でもそうだ。  すでに劣 […]

2019/01/07
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