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               国際短編映画祭につながる「ショートフィルムの原案」公募・創作プロジェクト 奇想天外短編映画 BOOK SHORTS

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Category 小説

小説

『Jack of』志水菜々瑛(『ジャックと豆の木』)

ツイート  僕の家には決まりがある。  ――豆の木に近寄ってはいけないよ。  だけど、僕はこれを守らない。  屋根裏が一番落ち着くの。欲のない母さんの口癖であった。村で一番たくさんの乳牛を飼っているのに、「この子たちの乳 […]

2019/04/05
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小説

『沈まない泥舟』渡辺鷹志(『かちかち山』)

ツイート  平田はがっかりしてため息をついた。 「まただめだったか……」  応募した会社から来たのは、またもや「不採用」の連絡だった。  平田は現在40歳の元銀行員。  真面目で性格もよかったが、これといった能力もなく、 […]

2019/04/05
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小説

『草笛の庭』倉吉杜季(『おくのほそ道』)

ツイート  置き去りにされた煉瓦塀の残骸を見つけて、男は重い腰を下ろした。夏草が風になびいて波のように辺りをうねる。  照りつける容赦ない日差しに拭っても汗が流れ落ちてくる。目の前に広がった空き地には建物の影ひとつなく、 […]

2019/04/05
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小説

『ウサギかカメか』水乃森涼(『うさぎとかめ』)

ツイート  片足は地面について、もう片方はペダルにかける。自転車の運転中に信号待ちをすると、誰しもこういうポーズになる。信号が青に変わると、制服姿の菜摘は自転車を発進させようとしたが、同じように制服を着た知らない女子が、 […]

2019/04/05
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小説

『キノッピオ』もりまりこ(『ピノキオ』)

ツイート  じぇぺっとさんが映画を観てる。父親と庭でじゃれている男の子。  ちいさな赤いおもちゃの車を芝生の庭で乗りながら、楽しくてしくて仕方ないって感じで、けらけらしている。  写真を撮っているのは、おかあさんらしき人 […]

2019/04/05
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小説

『リサーチ』佐々木順子(『いなばのしろうさぎ』)

ツイート ――騙しているなんて言わないでほしい。仕事にはそれぞれコツがあるわけで、うちの場合はね、はっきり言わなくとも相手がなんとなく誤解して納得してくれるというのが一番理想的なんだ。他人の欲は金になる。ちょっとばかり自 […]

2019/04/05
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小説

『デーモン笹ケ瀬の左眼の世界は』もりまりこ(『桃太郎』)

ツイート  桃山台駅で降りる。シースルーエレベーターで直行しようと思ったけれど、その前に明日終わってしまうらしい移動式カフェ<マンダリン>に寄って、最後のテイクアウトをしようかと思う。こういうのを良心っていうのか、社交っ […]

2019/04/05
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小説

『このバンドには名前がない』平大典(『ブレーメンの音楽隊』)

ツイート  深夜一時、僕の住むアパートの一室。  僕には非がないのにも関わらず、四畳半の畳の上で、三人のバンド仲間を前に正座をしていた。ベース担当の鳥居くん、女性ボーカルの猫田さん、ドラム担当のロバートさん、全員が険しい […]

2019/04/05
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小説

『ニキと過去の物語』持田瀞(『サンドリヨン』『灰かぶり姫』)

ツイート 『過去に戻れたら、何をする?』 よく言われる台詞。 なんて陳腐なのかしら。 過去は変えられないのよ。だから、過去なのよ。     二人の義姉に虐げられ、家事の一切を押し付けられてきたシンデレラ。 ある日魔法使い […]

2019/04/05
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小説

『T21』香久山ゆみ(『ノアの箱舟』)

ツイート 「ねえ、早くはやくー」  ぐいぐいと腕を引っ張り、バスタブの中に私を押し込めようとする。ぎゅうぎゅう体を捻ってみるものの、何とも仕様がない。 「やっぱり無理だわ」 「ええー」  窮屈なバスタブから身を起こすと、 […]

2019/04/05
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小説

『過去』宮下洋平(『過去世』)

ツイート  首を右に動かすと、肩もすこしついてくるのだが、そうやって目覚まし(に使ったことはないのだが)時計をみてみる。すると朝の九時だった。  まあいいか、とおもいながら起き上がり、リビングへと向かう。カモミールティー […]

2019/04/05
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小説

『樹洞』サクラギコウ(『桜桃』)

ツイート 「子どもより親が大事」と言う常連客がいる。彼は会社が終わるとその脚で「志那そば亭」へやって来る。いつも無言で叉焼を肴にビールを飲み、帰っていくのだ。 「志那そば亭」はラーメン屋だが、夜の営業は居酒屋に近い。カウ […]

2019/04/05
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小説

『水底のともし火』和泉萌香(『火ともし山』)

ツイート  旅の真っ只中にある詩人はその日とある湖付近の村に立ち寄りました。長らく歩いて疲れていたものですから何処かで休みたいと村のあちこち宿屋やら茶屋やらを探しますが一向にそれらしき店などは見つかりません。ひゅうひゅう […]

2019/04/05
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小説

『コタツ』三号ケイタ(『てぶくろ』)

ツイート  まだ冬のビル風が寒い駅前の夕方。たくさんの人たちが通り過ぎていきます。彼らは立ち止まることなく、めいめい自分たちがもつ事情を抱えて、歩いて行くのでした。  塾帰りの二人の兄弟が歩いていると、駅前の広場の一角に […]

2019/04/05
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小説

『ひと花咲か爺さん』宍井千穂(『花咲か爺さん』)

ツイート 『From:神  件名:あなたの人生に、一花咲かせてみませんか? おめでとうございます!厳正な抽選の結果、あなたがパッとしない人生を送っている人間代表に選ばれました。つきましては、わたくし神から直接アドバイスが […]

2019/04/05
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小説

『裏島物語』高崎登(『浦島太郎』)

ツイート  おかめは怒りに震えていた。拳を握りしめ、海を睨む  厠の戸を開けるなといつも言っているのに、あの男はわざと覗いた。それは絶対にわざとだった。三平の、変に口を開けたにやつき顔。汚らしくはみ出た鼻毛。卑猥な目つき […]

2019/04/05
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小説

『飛び立つという事。』鷹村仁(『イカロス』)

ツイート  強烈に女にモテたいと思ったのは高校三年の時だ。  今までずっとモテない人生を送って来た。背はそんなに低くはないが、太っていて、髪はボサボサの伸びっぱなし、ふちのでかいメガネ、人ときちんと目を見て話せない、いつ […]

2019/04/05
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小説

『雪消』田中紘介(『雪のなかのゆうれい』)

ツイート  その日、樋口はいつものようにぼんやりと窓の外を眺めていた。化学の授業はもうすっかりお手上げだった。雪はいつもより静かに、ゆっくりと積もっていた。落ちていく雪をじっと見ていると、樋口はその時間の緩慢さに思わず吸 […]

2019/04/05
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小説

『パパパパパ』藤井あやめ(『ちはやふる』)

ツイート ・会社・   ピコン。 静かに身を潜めた化石のような携帯が、一件のメールを受信した。 私は仕事の手を止め、おもむろに携帯の画面に見た。 「あ!」 思わず声が出た。スクリーンには予想もしなかった名前が映し出されて […]

2019/04/05
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小説

『死亡フラグ狂騒曲』宍井千穂(『桃太郎』ほか)

ツイート  死亡フラグ……登場人物の“死”への伏線のこと。死亡が予見されるような行動・発言を指すことが多い。   「本日は『おとぎ話・オールスターバトル』にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。私、司会の安出 […]

2019/04/05
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小説

『嘘でいいから』阿G(『サトリのワッパ』)

ツイート 「先生、嘘アレルギーはどういう仕組みなんですかぁー?」  前方の席の女子がそんなことを訊くものだから、私は思わずペンを走らせる手を止めてしまう。  生物の時間。若い男性教師が、自身の花粉症エピソードを織り交ぜつ […]

2019/04/05
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小説

『蟲の禍』篠崎フクシ(『文字禍』)

ツイート 砂埃が目に入り、手の甲で瞼を擦りながら、北淵鈔烬(きたぶちのしょうじん)は朱雀門から向こうの遠く聳える皇城、大宮を見凝めた。還学生(げんがくしょう)として遣唐使に随行し、唐の都長安では学問に打ち込むも、この黄色 […]

2019/02/26
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小説

『みせもの』ひろくん(『鶴の恩返し』)

ツイート  白鳥珠子は入学早々「白玉団子」とあだ名を付けられた。秒殺だった。珠子のその記録は樹立され、誰も破った者はいない。中学生の珠子は、休み時間が来ると机の上によく顔を伏せた。 「おーい白玉団子―」  男子の声がする […]

2019/02/26
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小説

『夢の国からの追放前夜』草餅(『ピーターパン』)

ツイート ふと目を開けると、そこは懐かしい子供部屋だった。そこいらに車やら何かのヒーローの人形やら、大量のおもちゃが散らばっていて、ともすれば踏んづけて壊してしまいそうだ。窓は大きく開いていて、カーテンが風に吹かれてふわ […]

2019/02/26
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小説

『花冠の約束』ハンチング純一(『自殺について』他四篇)

ツイート  見ず知らずの男に辱《はずかし》めを受けていた小学4年生の私を助けてくれた先生は、その14年後、笹野くんという名の、全く縁《ゆかり》のない幼い子どもの命を救った。  優しくて思いやりがあって勇敢な先生は、この髪 […]

2019/02/26
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小説

『エピジェネティクス』掛世楽世楽(『変身』)

ツイート 「乙です」  ゲームチャット欄にコメントして、御宅(みやけ)今一(きんいち)はログオフした。  味方との連携はバッチリ、KD(キルデス)のアベレージも上昇。この成績なら良い一日と言える。  しかし、寝床に入って […]

2019/02/26
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小説

『ハウ・スウィート』三坂輝(『酸っぱい葡萄』)

ツイート  泰志も大変な会社に入ったものだと、彼は思った。約束の20時は20分過ぎた。連絡はない。  テーブルに女性店員が歩み寄る。 「お連れ様がいらっしゃる前に、何か頼まれますか?」 「……そうですよね」  相談に乗る […]

2019/02/26
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小説

『ラグナグの鏡』風呂屋龍乃介(『ガリバー旅行記 第三篇』)

ツイート  例えば、友人の家で鍋パーティー等があった時、お酒を入れるものがないからと言って、近くに置いてあるコップに酒を注いではいけない。  なぜって? 俺のダチが、とある家に遊びに行って、同じような状況になったんだ。近 […]

2019/02/26
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小説

『めんこい』多田正太郎(『雪太郎』)

ツイート だから・・冬、雪のある間の、限定でさ。 雪のある間の限定だとー? ああ、限定だ。 銘菓との評価の高い、雪太郎なのに・・。 ああ、限定なのさ、固く守られているさ。 ふーん・・。 冬・・雪・・雪太郎・・。 男の子、 […]

2019/02/26
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小説

『鬼我島』木暮耕太郎(『桃太郎』)

ツイート どんぶらこどんぶらこ、桃太郎たちを乗せた舟は長い航海を終え今まさに鬼ヶ島に接岸しようとしていた。雉が上空を旋回して偵察したが鬼の軍団というのは見当たらなかったようだ。 桃太郎一行は砂浜を歩き、ひとまずあたりを探 […]

2019/02/26
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