小説

『めんこい』多田正太郎(『雪太郎』)

だから・・冬、雪のある間の、限定でさ。
雪のある間の限定だとー?
ああ、限定だ。
銘菓との評価の高い、雪太郎なのに・・。
ああ、限定なのさ、固く守られているさ。
ふーん・・。

冬・・雪・・雪太郎・・。
男の子、それ人間の子供だろ?
うーん、人間ではないんだろうなぁ・・。
人間でない、男の子だと!
そんなにさぁ、ビックリする?
ああ。
どうして?
なに言ってる! ビックリさせておいて!

雪深い日本の某所。
昔々のお話しだが・・。
大金持ちの、まぁ当時の世間では長者さん。
そんな敬称で呼ばれる、老夫婦が住んでいた。

おやおや、急にどうした? 童話か?
うーん、まぁ昔話なんだろうなぁ。
聞くけどよ、童話と昔話って、違うのか?
作者の存否。
おや、キッパリと、じゃー信憑性とか・・。
作家の存否・・信憑性・・。
ああ。
まぁ、解釈の問題だろなぁ。
じゃーさぁ、それさぁ。

おとぎ話や昔話、民話、小説などをもとに創作したショートストーリー。
アレンジやスピンオフ、新釈作品。

そんなさぁ・・。
何だよ?
公募が・・。
えっ、公募?!
ああ。
それがどうした?
お前さぁ、そんなお話しをさ・・。
えっ?
それ、今更でないの。
うるさいなぁ、話やめるぞ!
いや、聞きたいよ。

金があっても、子供がいない。

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