小説

『めんこい』多田正太郎(『雪太郎』)

ああ、うちのお店の代表銘菓もよ。
雪太郎!
ああ。
でも・・。
どうした?
何だか、話の流れが、繋がらん気がするけど。
いいじゃないの、それでもさ。
そうだったよなぁ。
ああ、時間はなんぼでもあるんだしよ。
ああ。

このお店よ。
何だ?
代々、養子が家業を継いで・・。
ああ、代々よ皆、孤児だって聞いている。
だろ。
うーん・・・。
どうした?
今、気付いたんだけどよ。
何を?

ただ、孤児としか、聞いてないよなぁ。
ああ。
どこのだ?
どこのだ、たってよ?
どこのか聞いているか、孤児院からとかよ。
いや・・。
だろ。
ああ。

ほら、お店だって冬季間だけオープだし。
確かに、お店開いているのも冬季限定だなぁ。
ああ。
お店の人間も、この季節以外姿消すだろ。
ああ。

限定。
ああ、限定。
これってよ、限るってことだよなぁ。
ああ。
何が言いたいんだ?
いや、もういい。
な、何だよ?

このお話しはよ。
何だ?
何が言いたかったのかなぁ。
えっ?

四季・・。
四季?
春夏秋冬。
それがどうした?
それが前提のお話しだよなぁ。
昔話の雪太郎、確かになぁ・・。
だろ、もし四季がよ、消滅したら・・。
うーん・・。
話は、成り立たないだろ。
ああ、その通りだなぁ。

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