小説

『めんこい』多田正太郎(『雪太郎』)

おとぎ話や昔話、民話、小説など。
それを、もとに創作したショートストーリー。
アレンジやスピンオフ、新釈作品。

そんなさぁ・・。
何だよ?
公募が・・。
えっ、公募?!
ああ、あの・・。

こんなさっきのシーン、もよ。
何だ?

もとにする、おとぎ話や昔話、民話、小説など・・。

これがよ、春夏秋冬の四季のある世界。
それがよ前提なら・・。
なら?
これが消滅したら・・。
うーん・・。
話は、成り立たつのかよ?

アレンジやスピンオフ、新釈作品。
そんな、ショートストーリーとか。

これがよ!

海の底に、雪が積もったような。
サンゴの白色化、その死滅に始まり、
母なる海が・・死んで・・。
四季、それがあっという間に。
この星から・・。
えっ、海が死ぬ?
ああ。
そしてら、どうなる?
この星、地球は、死ぬだろうな。
えーっ! サンゴって・・。
ああ、海の命を司っている生き物なのさ。
海の底に、雪が積もると・・。
四季もなくなり、海が死ねば、いずれ・・。

四季限定、もうそんな言葉も。
概念すら・・遠い遠い昔に・・。

秋になり、冬が訪れ。
正月を迎えた夜。
戸を叩く音が聞こえた。
老夫婦は大急ぎで戸へ。
そこには、少し大きくなった雪太郎が。
めんこさ、これは全く変わらない。

その日から、雪太郎と老夫婦。
楽しい生活が・・。

やがて、また春が来て。
いつの間にか雪太郎はいなくなり。
こんなことが、何年も。
そんなある年の初雪の朝。
すっかり歳をとったお爺さん。
今年も雪太郎に会いたい・・と。
つぶやきながら、ぽっくり死んでしまった。そして同じ日の夜。
婆さまも後を追うように。
眠るように死んでしまった。

おいおい、何か寂しいなぁ。

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