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               国際短編映画祭につながる「ショートフィルムの原案」公募・創作プロジェクト 奇想天外短編映画 BOOK SHORTS

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Category 小説

小説

『続風博士』長門長閑(『風博士』坂口安吾)

ツイート                               諸君、驚くなかれ! 何と風博士は生きておられた。  諸君は、鎌倉市某町某番地なる風博士の別荘は御存じであろう乎? 御存じない。それは大変残念である。そ […]

2017/05/01
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小説

『ひきこもりハウス 魔法少女編』紅緒子(『注文の多い料理店』)

ツイート  王が死んだ。いつかこんな日が来るだろうと覚悟していたつもりだったのに、やっぱり途方に暮れている。王への弔いにパソコンから流した、魔法少女ココアの主題歌だけがリアルだった。 千本桜 夜ニ 紛レ 君ノ声モ 届カナ […]

2017/05/01
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小説

『頭紐』佐藤邦彦(『頭山』)

ツイート  世の中には不思議な能力を持った人間というのがいらっしゃる様です。中には動物と話せる何てぇ御仁もいらっしゃる様ですな。「ぼくが病気した時看病してくれてありがとう。おかげで元気になったよ」何てぇことを犬が言ったり […]

2017/05/01
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小説

『常春の国』金子葵(『桃花源記』)

ツイート  タクシーの扉には、桃の花の絵が豪華絢爛に描かれていた。 「ねえお客さん、ドアの桃の花見ました?この春限定なんですよ。」  愉快そうに話す運転手に曖昧にうなづきながら、ツキコは気忙しく携帯電話を操作していた。端 […]

2017/05/01
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小説

『ベーカリー ヘクセンハウス』鳩羽映美(『ヘンゼルとグレーテル』)

ツイート 板チョコの屋根に、薄い飴でできた窓、それからビスケットの壁とクッキーの扉。 ビスケットとクッキーの違いってなんだろう? あぁ、そんなことはどうだっていいわ!なんて素敵なお菓子の家なんでしょう! クッキーの扉を開 […]

2017/04/27
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小説

『オカシノオウコク』洗い熊Q(『ヘンゼルとグレーテル』)

ツイート 「令子ちゃん、今度は何作ってるの?」  真理子は平机に屈み込むように座る女の子に、脇から覗きながら言った。 「ろぐはうすのおうちだよ~」  令子と呼ばれた女の子は振り向き様も笑顔のままに、聞いてきた真理子に元気 […]

2017/04/27
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小説

『屋根裏の文吾』末永政和(『屋根裏の散歩者』)

ツイート  彼は同業者から、「屋根裏の文吾」と呼ばれていた。その名の通り、文吾は屋根裏に身を潜める。古い共同住宅であれば、点検口から忍び込むのは造作ない。小柄な体と辛抱強い性格は、この作業にうってつけであった。  最近は […]

2017/04/27
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小説

『対価』久保沙織(『人魚姫』)

ツイート  瞼は常に腫れぼったく一重で、おまけに睫毛の短い目元。鼻はぺちゃんこでまるで豚のようだと自分でも思う。歯並びは悪いし、唇もぼてっとしていて全く締まりがない。  人生の全てが顔で決まるわけではないとしても、この顔 […]

2017/04/27
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小説

『百本の芍薬』末永政和(『百夜通い』『夢十夜』)

ツイート 「だってあなた、どうせ死んでしまうでしょう」  女は長い髪を枕に敷いて、物陰に潜む男にそう言った。女の声はか細いが、静かな夜にしんみりと響き渡る。時折遠く野犬の吠え声が聞こえてくるばかりで、ほかには物音ひとつし […]

2017/04/27
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小説

『ハッピーエンド』浴衣なべ(『わらしべ長者』)

ツイート  スパァーン  物体の激しくぶつかる音が聞こえた。私の歩いている横で野球部のピッチャーが投球練習をしている。さっきの音は、ボールが高速回転してキャッチャーミットに吸い込まれていく音だった。野球部の練習している場 […]

2017/04/27
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小説

『ハンス・フォン・カメ男爵とぼく』おおぬまいくこ(『浦島太郎』)

ツイート  いつもの帰り道、防波堤の上を平均台のようにバランスをとって歩いていると、浜から父さんが声をかけた。 「おーい、マサキ、今帰ってきたのか」 「うーん!」  漁船の船体を磨く手をとめてこっちを見ている父さんに、ぼ […]

2017/04/27
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小説

『カッパのようなもの』中川マルカ(『河童』)

ツイート  あたたかい布団に、ごろりと先客があった。  僕の眠るはずの場所にそれは居て、青みがかった白い着物に身を包む。顔には真四角の白い布が掛っていた。背丈は僕よりもうんと小さく、十歳かそこらの子供のような体つきで、と […]

2017/04/27
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小説

『不思議の国の入り口男』義若ユウスケ(『不思議の国のアリス』)

ツイート  競馬にいって負けた。  それがすべての始まりだった。  憎たらしい負け馬から視線をあげると、とおい空に巨大な太陽。山に沈もうとしていた。  こんなもん火にくべてやれ、そう思って俺はバラバラにちぎった馬券を夕陽 […]

2017/04/27
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小説

『寿限無くん』室市雅則(『寿限無』)

ツイート  姓は田中。   名は寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処藪ら柑子の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポポコナ […]

2017/04/27
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小説

『鬼灯提灯』橋本沙雪(『羅生門』)

ツイート  一人の男が、京都の町、騒がしい市場を歩いていた。腰には妖しく黒光りする鞘に収められた太刀が提がっている。とぼとぼと進む彼を、道往く人は無意識に避けて歩いた。  男は検非違使庁の役人である。京都市中の平和を保つ […]

2017/04/27
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小説

『キツネに嫁入り』高平九(『狐の嫁入り』)

ツイート  妻の乳房の上に白いチョウチョウが止まった。ベッドのシーツがはだけて、右の胸だけがさらされていたからだ。もう昼近い時刻なのだろう。窓から入る明るい春の日差しが妻の顔や胸を優しく照らしていた。 旅先の空気を感じた […]

2017/04/27
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小説

『クリとネズミとタイガーと』柏原克行(『金の斧』)

ツイート  急な異動だった。この春で勤続七年目を迎えるサラリーマン、小野大我の下に辞令が下ったのは。暦上はとっくに春を迎えていたが未だ外は寒風吹きすさび、大荒れの日が続く。ニュースで近年稀に見る春の大嵐だとか何とか騒がれ […]

2017/04/27
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小説

『田中の小言』室市雅則(『小言幸兵衛』)

ツイート  都心から車で二時間ほどの町の朝。  気候は春めいてきているが桜はまだ咲いていない。  大根畑の間を新聞屋の原付が昇りかけの太陽を背にして走っている。 向こうには数軒の家が立ち並んでいる。 新聞屋は原付を停め、 […]

2017/04/27
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小説

『ケテルの羅針盤』柘榴木昴(『裸の王様』)

 ほんとうの雅は日常や風情の中にはない。茶室が異空間のように、美術館が静謐なように、切り離された空間に洗練された優雅はあるのだ。  例えばフェルメールの「牛乳を注ぐ女」。たとえ日常のワンシーンでもキャンパスに切り取ること […]

2017/04/27
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小説

『吾輩は21世紀の猫である』次元(『吾輩は猫である』)

ツイート  吾輩は猫である。名前はまだ無い。  とここまでは百年以上前の吾輩の先達と変わらぬ所であるが、百と十数年に及ぶ日月は人間世界をして大きく変化せしめた。人間世界が変わったならば、必然猫世界も変わらざるを得ぬ。悟り […]

2017/04/27
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小説

『花びらを蹴散らして』柿沼雅美(『桜の森の満開の下』)

ツイート  隙き間なく敷きつめられたブルーシートの中で、真っ白のシートが浮かび上がって見えた。広すぎる公園のひときわ大きな桜の木の下で、そのシートの上には、もう丸1年会っていなかったOBやほとんどしゃべったことのない後輩 […]

2017/04/27
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小説

『川せみになる』菊武加庫(『よだかの星』)

 なんでいつもこうなってしまうのだろう。思い切り舌打ちしたい気分で、なるべく隣の女の顔を見ないようにした。いつもいつも間の悪い自分がつくづく嫌になる。 実家に行ったのは半年ぶりだ。出張で三日間、明夫(あきお)が家を空ける […]

2017/04/27
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小説

『兔は野を、我は海を』百瀬多佳子(『うさぎとかめ』)

ツイート  十五の春。都市部の中高一貫校に通う私は、これといった感慨も抱けぬまま、卒業および入学という一連の式典をやり過ごしていた。同級生の顔ぶれは変わらない、三年前あれほど心躍った近代建築の学び舎にもう新鮮味はない。憧 […]

2017/04/27
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小説

『こびとカウント』木江恭(『白雪姫』)

 ブス、バカ、死ね、クズ。半日かけてようやく見つけ出した上履きは泥と落書きで真っ黒に汚されていた。  声もあげられずひたひたと泣くわたしに、ニコは囁いた。  みっこ、大丈夫だよ。あたしたちに王子様は来ないけど、代わりにこ […]

2017/04/27
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小説

『シンデレラの姉』吉田舞(『シンデレラ』)

 なんだろう、これは。  目の前で妹が呼び出されている。というか、ほぼ間違いなく十分以内に告白される。私の好きな人から。 「えっ」と上ずった声をあげながらもすでに靴をはいている妹(土間に置いてあった靴ではなく、わざわざ靴 […]

2017/04/27
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小説

『バー・アカシヤ』海野権蔵(『奥の細道』)

ツイート  そしてまた川は流れ始めた。  町から少し離れた山あいを流れる、水の澄んだ小さな川だった。  山の端を染めていた夕映えの赤が消えていき、山あいの渓流にしっとりと宵闇が訪れる頃。やや湾曲した川の流れの脇にある小さ […]

2017/04/27
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小説

『先っちょには触れないで』木村菜っ葉(『眠れる森の美女』)

ツイート  雪で詰まった雨どいから水が溢れる音が聞こえて、庭の雪が日に照らされて一粒一粒が結晶から水滴となってぷるぷるとしているさまを見て耳かきをしていた。ぽかぽかとひなたぼっこをしていたら、眠くなってそのまま眠る。屋根 […]

2017/04/27
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小説

『滅びない布の話』入江巽(ゴーゴリ『外套』)

 改札を抜ける直前に見たプラットホームの電光掲示板、二〇一六年四月二十三日、土曜日のゆうがた五時四十六分を表示していて、気持ちの奥にはっきり、火が燃える。すこしだけ早足にしたつもりがそれで終わらず、自分が速めに歩きはじめ […]

2017/04/27
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小説

『白雪姫的恋の見つけ方』小高さりな(『白雪姫』)

ツイート 23 years old.  里香はおとぎ話のプリンセスが好きじゃない。特に白雪姫の話には、イライラする。狩人に助けられ、七人の小人に助けられ、眠って待っているだけで王子に助けられ、いつの間にかハッピーエンドな […]

2017/04/01
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小説

『オトリとサクラ』はづき(『ヘンゼルとグレーテル』)

ツイート 〝別にあいつが俺とマジで心中したのはおかしくない。問題はお前だよ、サクラ〝 「ついてくんなよ」  こんな事態になっても俺は冷たい。 「なんとか言えよ。人殺し」  そう叫び、近くにあった木の枝を足元に向かって投げ […]

2017/04/01
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