「その蝶もあいつの仕業だ……みんなは滅茶苦茶やってくれたって言っているけど、俺はお前が正しいと思うぜ。本当は誰だってどんな生き物だって支配されちゃいけないんだ。自分で考えて自分のために何かをしなくちゃ。生きるってそういうことだろ?たまには神様を頼ってくれてもいいんだけどさ。まぁ、もうお前は頼らなくても大丈夫だと思う」
目の前に蝶が飛んできて思わず微笑んでしまう。
「行ってきます」
玄関を閉めて、歩き出す。
道端には花が咲き乱れ、蝶が舞っていた。
小さな赤い傘を持ったお地蔵さん。
彼の周りの世界は彼に支配されていた。