11月期優秀作品発表
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SOLARE AWARD11月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品37作品です。
『ReverbTOKYO』
柿沼雅美
35歳、独身。クリスマスを前に、親に実家を追い出されました。どうしたらいいでしょうか。そんな状態の梨沙は、友人の家に一晩泊めさせてもらうも落ち着かず、ホテルを探すことにした。目に留まったのは、ReverbTOKYOという名のホテルだった。落ち込んだまま、梨沙はホテルに併設されたカフェのドアを開いた。
『ホテル 金曜日とシネマと』
もりまりこ
映はあまりにも、モノにも人にも巻き込まれることなく人生を送ってきてしまったことを、うっすら後悔していた。そんなある日。部屋に戻ると灯りが消えた。スマホで灯りをとろうとしたら、あろうことか知らない場所に電話がかかってしまって。人生初の巻き込まれる体験をしようとしている映がそこいいた。
『町と手』
麦野ハコ
高校を卒業したらこの町で暮らす。新居探しを兼ねて泊まったホテルで目覚めたわたしは、ベッドの上でぼんやりしたり、窓の外をのぞいたりして、やがて涙をするすると流していた。不安と記憶と淡い恋が、若い心の中を寄せては返す、とある朝のひとときのこと。
『柔らかいホテル』
円堂久遠
今、世界中で「注文」が溢れている。それは、時に冷たく、ギスギスした空気を作る。でも、もし仮に「温かい注文」というものがあるのならば、きっともう少し息が深く吸えるのではないか。そんなことを思いながら描いたホテル。
『仮初めベルボーイ』
いわもとゆうき
広告業界で活躍していた武藤はある重大なミスを犯し系列の地方のシティホテルに飛ばされる。仕事はベルボーイ。三十九歳の新米ベルボーイとなった彼だが、実際はただ立っているだけが仕事だった。しかしそれが自分を見つめる時間となり、再起へのきっかけとなってゆく。
『とあるホテルのラウンジで』
長尾優作
新しくオープンしたビジネスホテル『楽縁/RAKUEN』に、脚本家志望の橋田聡がやってきた。彼は両親の光彦と好恵が到着するまでの間、ラウンジでバスを待っていた早瀬麻衣という女性と話すことになり、失敗ばかりの人生をもう一度やり直そうと、考え始めたのであった――。
『大空』
奥村由布子
大学受験を明日に控えて、飛悠はホテルにやって来た。隣部屋の女性、その隣部屋の男性と知り合い、三人で夕食のテーブルを共にする。初対面なのに、だがそれ故に、互いの抱えている問題を打ち明け、励まし合う。それぞれの部屋に戻った三人は、出会う前とは異なる人生を歩み始める。まっすぐに。
『リメンバーミー』
ロジィ
マッチングアプリを介して奈良は「自分の話を聞いてほしい」というユリと出会う。喫茶店、ファミレス、ホテルと場所を変えて話を聞くうちに、ユリが自分の話ばかりする男に騙されたこと、自分のことを誰かに覚えていてほしくてこんな募集をしたのだと知る。奈良は自分の話をユリに聞いてほしいと願う。
『青年と老人 一期一会』
ウダ・タマキ
仕事や恋愛でストレスを抱え、一人で旅行にやって来た青年。若かりし頃の出来事を悔やみ、生まれ故郷へ帰って来た老人。そんな二人がホテルのカフェで出会った。僅かな時間の僅かな会話が、それぞれの明日に変化をもたらす。それぞれの視点から描いたストーリー。