11月期優秀作品発表
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SOLARE AWARD11月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品37作品です。
『5年目のコインシデンス』
谷田円
都内の出版関係の仕事をするさちこと、山あいのブドウの産地でワイン作りに勤しむちひろ。違うバックグラウンドを持つ2人が、新しい土地での出会いや過去の出会いに感謝しながら、自分と向き合いながら成長する5年間。そんな2人をつなげる1本のワインは、「Le Lien(絆)」と名付けられていた。
『月光映画館』
藤野
ある満月の夜、私はおじいちゃんがこっそりと家を抜け出すのを見つけ追いかけた。しまった、と笑うおじいちゃんは「月光映画館」に行くのだと言う。途中で出会った幼馴染のサトシとともに、私は月光にゆれる草原にある映画館を訪れる。今では遠い夢の中に思えるおじいちゃんと私の約束の話。
『つながりの海』
飯島望
妻との不仲から一時的な別居をすることにした私は、海の街でサーフィンに興じる男女と仲良くなる。事業の成功と引き換えに周囲から孤立しているが、仕事も私生活も充実させている彼らを見て、重要なつながりとは本当に近しい人としか分かち合えないものなのだと私は考えるようになる。
『ボニンブルーの海で』
十六夜博士
高校卒業以来、マラソンに没頭してきた蒼太は、故障により引退すべきか悩んでいた。故郷に戻り、どうすべきかを考える日々。そんな日々の中、蒼太は不思議な体験をする。その体験は、蒼太と蒼太の周囲に、20年前の事件を思い起こさせた。20年前に皆が失くしたもの……。
『カフェモカの思い出』
なかつむぐ
おばあちゃんがつくってくれたカフェモカ。その甘い香りに大切に包まれたおばあちゃんとおじいちゃんの思い出とは。温かい飲み物でも飲みながらほっと心温まるお話を読んでみませんか?
『春田高校には停まりません』
角田絵里
大学進学を控えた女子高生、鞠子。両親に進路の相談をできずに日々を過ごしていた。ある時、いつもの通学途中、間違ったバスにのってしまい、不思議なおじさんと出会う。おじさんに警戒しながらも、鞠子は妙な質問をしてしまうが…
『Shoot the moon』
木南涼太
渋滞に巻き込まれた一台の車。ビル街の隙間から美しい月が見えて、受験に励んでいた高校三年の頃の記憶が蘇る。予備校帰りに寄り道していた公園には、大人になって見失った何かがあった。
『ツナガリタイ』
室市雅則
無性に人恋しくなり、誰かと『ツナガリタイ』衝動に駆られた男。ネットで同じような仲間たちが集まる会合を見つけ、横浜から大阪へと向かった。
『咲いた咲いた、夜空に咲いた』
若松杜大
ある夏の日の話。花火を眺める人々。同じ花火を眺め、ある人は屋上から飛び降りようとしている。ある人は恋人と過ごし、ある人は露店で焼きそばを売り、ある人は病床に伏している。花火をきっかけに思い出す親類のこと、初恋のこと。花火をきっかけに繫がる思い出。同じ花火の下で様々な人生が、ある。