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 2021年度最終候補アンケート

日本博 日本各地のストーリー 公募プロジェクト(第8回ブックショートアワード)最終候補の皆様に、ご自分以外の作品のなかで最も面白いと思った作品とその理由、そしてご自身の作品についてのコメントをアンケートで答えていただきしました!
(順不同 / ご返信いただいた方のみ記載)

■推薦者:平大典 / 『夏の夜』(『古事記』)

○選んだ作品:

『嘘とウソ』宮沢早紀(『早池峰山の神様(岩手県花巻市)』)



○選んだ理由
:
勉強不足でして、元の伝承を知らずに読ませていただきました。
「うさぎが一番かわいいからって理由で卯年って嘘ついてたんだよね」という婚約者の母親のヤバい(かも?)発言を聞いた冒頭から、ぐっと話に掴まれました。
読後には、ほっこりとした気持ちになりまして、主人公たちの未来を応援したい気持ちになりました。本文で紹介される元の伝承も、素晴らしく魅力的でした。

○自作についてのコメント:
十年ほど前の七月、何のためか雁子浜へ行ったとき、冷たい雨が降っていました。
夜も近く、道に迷い、海辺で一人、途方に暮れていたことを覚えています。

宿に戻ろうか逡巡しながら浜を見ると、雨の中、何かを海に投げる二人連れが居ました。
物悲しくも美しい、まさに赤い蝋燭と人魚の舞台だ、と感じました。

その時の感動を文章にしたものです。
できる限り「映像的な」表現を心がけました。

ぜひご一読ください。

■推薦者:霜月透子 / 『花が咲きますように』(『花咲かじいさん』)

○選んだ作品:

『座敷童子たちの庭』川瀬えいみ(『座敷童子の伝説』(岩手県))



○選んだ理由
:
過去の思い出も現在における再会も優しく、終始あたたかさに包まれる作品でした。あまりのあたたかさに、施設は幻なのではないかと思ったりもしました。座敷童子という不思議な存在を受け入れている土地だからこそ解釈の幅が広がる展開で、そのような夢と現の狭間を思わせる雰囲気もよかったです。

○自作についてのコメント:
元にした『花咲かじいさん』では、犬の末路が桜の花との対比によって悲しみとやり切れなさを引き立てているところが印象に残ります。その繊細な読後感を現代に置き換えて表したいと思いました。また、ラストを飾る明るく華やかな桜を、同じく日本らしさを感じる花火に重ねてみました。お読みくださった方に、言いようのない感情の、ひとひらの花を咲かせることができたら幸いです。

■推薦者:宮沢早紀 / 『嘘とウソ』(『早池峰山の神様(岩手県花巻市)』)

○選んだ作品:

『城のある町の怪談』森本航(『豆腐売りの人柱伝説』(香川県丸亀市))



○選んだ理由
:
由香里たちがくり出す学校での何気ない会話はどこかなつかしく、また友達同士で楽しく会話をしているはずなのに、気がつくと自分の意識が“今ここ”ではない別のところへ旅に出てしまっている描写はリアリティがありました。
落語のような結末もくすりと笑えてよかったです。

○自作についてのコメント:
相手の意外な一面を知ることで、苦手だと思っていた人がそうでなくなるということが時々あります。
本作でも薫は義母を苦手だと思い込んでいますが、「嘘」の真相を知り、心の距離がぐっと縮まります。
見えていなかった一面が見えた瞬間に感じるみずみずしさ、見え方ががらりと変わる様を「早池峰山の神様」と共に描きました。
人生に一度なら盗みや嘘を許してくれる、懐の深い神様の物語と共に楽しんでいただければ幸いです。

■推薦者:森本航 / 『城のある町の怪談』(『豆腐売りの人柱伝説』(香川県丸亀市))

○選んだ作品:

『嘘とウソ』宮沢早紀(『早池峰山の神様(岩手県花巻市)』)



○選んだ理由
:
テーマとなっている『早池峰山の神様』の伝承(とそれによって生まれた言い伝え)が非常に魅力的な物語だと感じました。そして、本編では主人公の継母への感情はあくまでも二人のやり取りの中で解消され、神様の伝承の役割は二人の関係がそこから先へ進むためのきっかけとなっている、というのも、面白いと思いました。

○自作についてのコメント:
選んでいただき恐縮です。「日本各地のストーリー」ということで、地域固有の物語を取り込みつつ、その土地の風景や空気を表現できれば、と思いながら描きました。昔話とは全く関係ない文脈で生きているように思える現代でも、背景にはその土地の持つ「物語」が息づいている。そんな古来の物語と、現代の高校生の小さな物語がちょっと交わるお話になりました。読んでいただければ、そして丸亀に興味を持っていただければ幸いです。

■推薦者:香久山ゆみ / 『大阪アルプス』(『天保山の故事(大阪)』)

○選んだ作品:

『花が咲きますように』霜月透子(『花咲かじいさん』)



○選んだ理由
:
いちばん映像で観てみたいと思った作品です。十年前、見えたはずなのに見られなかった花火。現在、見られないはずなのに美しく眼に浮かぶ花火。過去と現在の花火がどのような対比で描かれるのか楽しみ。また、主人公の内面を反映した空き家や、お祭りなどの場面も見所。無垢なハナと、人間的なシロとサチといったキャラクターも魅力的です。

○自作についてのコメント:
日本各地に伝わる物語の二次創作というテーマ性は弱いかもしれませんが、自分なりにコロナ禍を描こうと、とにかく当時の思いを詰め込んだ作品です。また、興が乗り途中ソーシャルディスタンスを逸脱してしまいましたが、まあ現実もそんなところあるよなと。パーテーションで仕切られた視界が徐々に開けていくのを感じていただければ幸いです。ままならぬ時世ですが、自分自身を守る術を持ち、他者を思いやる世界であらんことを。

■推薦者:松ケ迫美貴 / 『あっても、なくても』(『こぶとりじいさん』)

○選んだ作品:

『城のある町の怪談』森本航(『豆腐売りの人柱伝説』(香川県丸亀市))



○選んだ理由
:
「豆腐売りの人柱伝説」という話をはじめて知りました。ホラーを題材にしながらも女子学生たちのほのぼのとした日常シーン中心に描かれており、好きな作品でした。セリフや文章のリズムが良く、何より方言が小気味よく感じられる良い作品だと思います。

○自作についてのコメント:
楽しそうに踊るこぶのついたお爺さんと、ご機嫌な鬼たち。『こぶとりじいさん』の話を思い出そうとすると、きっとこのシーンが思い浮かぶと思います。子どもの頃から、「このお爺さんはたとえこぶが二つに増えても喜んでいただろう」と何となく思っていました。そしてもう一人のお爺さんは、自分だけがこぶをとられていたら、それはそれで妬んでいたことでしょう。他人に左右されず自分が主人公でいれたらいいな、という作品です。

■推薦者:五条紀夫 / 『蟻の恩返し×増殖』(『鶴の恩返し』)

○選んだ作品:

『城のある町の怪談』森本航(『豆腐売りの人柱伝説』(香川県丸亀市))



○選んだ理由
:
幽霊の正体、行方不明中の猫、キーホルダー、そういった一見関係のない事柄をさりげなくフックとして仕込んだ構成が良いと思いました。オチも良いです。また、ベタではあるものの、青春ドラマとしても好感が持てました。地域性もあり、今回のアワードの“古来から受け継がれる日本のエッセンスの再発見”という主旨に合致していると思います。

○自作についてのコメント:
三度目の最終候補です。ヒューマンドラマ作品が多いブックショートアワードにおいて毎年コメディで参加しています。というわけで、今年もコメディ作品だ! 今回の作品は鶴の恩返しをモチーフとしていますが、正直、恩返し要素くらいしか採用していません。そういう点も含め、すべてを笑って許していただけるとありがたいです、ありがとう(先にお礼を言っておきます)。

■推薦者:小山ラム子 / 『ひらいてひらく』(『鶴の恩返し』)

○選んだ作品:

『嘘とウソ』宮沢早紀(『早池峰山の神様(岩手県花巻市)』)



○選んだ理由
:
『早池峰山の神様』の言い伝えの使い方がすごく好きです。
「だから、お母さんはもう一回、自分のために嘘をつけます」
こんなこと、息子の結婚相手に言われたらうれしいだろうな。
趣味や性格はちがっていても、根本のところは共にできる関係になっていくんだろうな、と感じた心あたたまる作品でした。

○自作についてのコメント:
怒りを口にせずに飲み込む。心配だけど聞かずに見守る。そういった「あえて、しない」を描きたいと思ったところからこの物語を書き始めました。

『鶴の恩返し』のなかで、鶴はなぜ「決して中をのぞいてはいけない」というルールを設けたのか、中をのぞくことなく日々をすごしていたらどうなっていたのか、といったところまで想像したのが楽しかったです。

■推薦者:草間小鳥子 / 『あれはきっと、同じ月』(『やまんばのおはなし(福岡県糟屋郡志免町)』)

○選んだ作品:

『あっても、なくても』松ケ迫美貴(『こぶとりじいさん』)



○選んだ理由
:
作品全体の構成(というかカメラワーク)とカラッとした叙情、軽快な会話のテンポに、作者の抜群のセンスを感じた。ともすると湿っぽくなりがちな「日本の美」といった文脈を気持ちよく裏切ってくれる、好感の持てる一作だと感じる。

○自作についてのコメント:
すべての子どもと、かつて子どもだった存在が、孤独や孤立に苛まれることなく、安心して生きてゆける社会であることを切に願っている。この作品も、そんな社会を形づくるためのひとつとなれたらと思う。おとぎ話は往々にして幸せな結末だが、幸せな結末は往々にしておとぎ話の中にしかないというパラドックスについて思いを馳せることを忘れずにいたい。

■推薦者:鮎谷慧 / 『うみの子』(『赤い蝋燭と人魚(新潟県上越市大潟区雁子浜)』)

○選んだ作品:

『嘘とウソ』宮沢早紀(『早池峰山の神様(岩手県花巻市)』)



○選んだ理由
:
序盤から「ぶっ飛んだ姑」との衝突を予感させますが、とても爽やかなお話です。
初対面の姑、不穏な事前情報…そんな緊張が、ふっと解けて、とても心地よい読後感です。

それにしても直樹!余計な事を言うし、一人で出て行くし!
ちょっと鈍感で、飄々として、でもいい人、という直樹の人物像に「こういう人いるいる」と、思わず納得しました。

登場人物が生き生きとしていて、おすすめします!

○自作についてのコメント:
選んでいただき恐縮です。「日本各地のストーリー」ということで、地域固有の物語を取り込みつつ、その土地の風景や空気を表現できれば、と思いながら描きました。昔話とは全く関係ない文脈で生きているように思える現代でも、背景にはその土地の持つ「物語」が息づいている。そんな古来の物語と、現代の高校生の小さな物語がちょっと交わるお話になりました。読んでいただければ、そして丸亀に興味を持っていただければ幸いです。

■推薦者:川瀬えいみ / 『座敷童子たちの庭』(『座敷童子の伝説』(岩手県))

○選んだ作品:

『会いたい人』春野萌(童謡『赤とんぼ』)



○選んだ理由
:
登場人物は、スマホを使いこなす現代人。
聞こえてくるのは、日本人なら誰もが、懐かしさで胸がいっぱいになる、赤とんぼのメロディ、夕方のチャイム。
いかにも日本的な、切なく美しい夕方の情景――。
『日本の美のエッセンスを再発見できる物語』という趣旨に沿った作品だと思いました。

○自作についてのコメント:
夢や志を胸に抱いて人生の航路に乗り出した人間が、夢破れた時、疲れた時、寂しい時、そして自らの人生の黄昏に気付いた時に帰りたいと思うのは、不思議な言い伝えや幼友達との懐かしい思い出が残る、日本人の原風景のように美しい佇まいをした故郷なのではないでしょうか。都会育ちで、ふるさとを持たない人も、それは例外ではないような気がします。

胸の中で、唱歌『ふるさと』をリフレインさせながら書いた作品です。

■推薦者:春野萌 / 『会いたい人』(童謡『赤とんぼ』)

○選んだ作品:

『あれはきっと、同じ月』草間小鳥子(『やまんばのおはなし(福岡県糟屋郡志免町)』)



○選んだ理由
:
感情を押し殺して淡々と働く織子の姿に胸が痛みました。それ故に、日常の些細なシーンがキラキラと輝き始め、まるで命綱のように織子を繋ぎ止める様子はとても繊細で美しく感じました。また、月や夜の描写が幻想的で、人間の儚さやその中にある力強さも想像できるような作品だと思います。得体の知れない山姥を、多忙な日常や不安といった実体のないものに変換するアイデアもよく馴染んでいたため、こちらの作品を選びました。

○自作についてのコメント:
本作は童謡「赤とんぼ」の哀愁を帯びた情景を引き継ぎつつ、読了後に前向きな気持ちになれるような作品を目指しました。忘れている物事でも、ふとした時の風景や匂いなどから一瞬にして当時の記憶が蘇ることがありますが、そのノスタルジックな感覚を共有できたらいいなと思います。また、一見対照的な茜と村松さんの関係性も見どころです。偶然出会した2人がどのような結末を迎えるのか、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

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