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               国際短編映画祭につながる「ショートフィルムの原案」公募・創作プロジェクト 奇想天外短編映画 BOOK SHORTS

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Category 小説

小説

『待ってる』柿沼雅美(『待つ』)

ツイート  この小さい駅のホームでベンチに座っている。  斜め後ろには古びた駅名の書かれた看板があって、後頭部のあたりには瑞々しい濃緑の厚い葉が背景を作っていて、改札も改札の外の商店街の薬局も踏切も見える。  「おはよっ […]

2016/03/28
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小説

『コンの銀杏』鴨カモメ(『ごんぎつね』)

ツイート  ある山にひとりぼっちの小さな狐が住んでいた。狐は名前をコンという。  コンは子供だから小さいのではない。コンだって幼い頃に母狐が人間に殺されていなければ、まるまると太った狐になっていたにちがいない。しかし、育 […]

2016/03/28
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小説

『無口な女』桜倉麻子(『もの食わぬ女房』)

ツイート  学生時代の彼女とは遠距離恋愛が面倒になって別れた。すぐに次の彼女ができたが、やはりこれも重くなって縁を切った。自分から女に声を掛けにいくほどの情熱はない。だが、それなりの大学から多少は名の知れた企業に入り、エ […]

2016/03/28
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小説

『愛をさがす獣』芥辺うた(『美女と野獣』)

ツイート  鬱蒼と木々の生い茂る森の奥深くに、石造りの美しい城がありました。  その城は昔この国の王族たちが暮らしていましたが、王たちがより栄えた町へと移り住んだために長いことほったらかしにされていました。そこへ、どこか […]

2016/03/28
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小説

『はるかなるブレーメン』志水孝敏(『ブレーメンの音楽隊』)

ツイート  ブレーメンを目指して旅立った動物たちは、泥棒から小屋を奪い、そこで暮らし始めた。  もちろん、仮の宿りのつもりである。すこしゆっくりしたら、すぐにでもブレーメン目指して出立する予定であった。  ところが、しば […]

2016/03/28
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小説

『こんな夜には寒戸の婆が』山本歩(柳田國男『遠野物語』)

ツイート  まるで寒戸の婆が帰って来そうな夜だ――  遠野郷の人々は、風の烈しく吹く夜には決まってそう言う。六角牛の山肌を震わせ、杉や白樺をぴいぴい泣かせて降りてきた風が、草っぱらを殴り、田を踏み越えて、鋭くなって窓や戸 […]

2016/03/28
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小説

『玉手箱の真意』よだか市蔵(『浦島太郎』)

ツイート 「くそっ!」  漆間稜は着慣れないスーツの襟元を荒っぽく緩め、ネクタイを一息に抜き取った。 「どうせこんな堅苦しい服を着るような仕事には就けねえよ。スーツなんて買うんじゃなかった。今すぐ火ぃ付けて燃やしてえわ」 […]

2016/03/28
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小説

『形見の帯』(『室町時代のお伽草子 付喪神記』)

ツイート  古くなった器具類がお化けになるという伝説は、室町時代からあります。ちょうど池や沼に棲んでいる動物が年を経て霊力をもち、いわゆる主(ぬし)になるようなものです。だから江戸・明治の時代には、毎年、年の暮れになると […]

2016/03/28
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小説

『人魚姫の代償』広都悠里(『人魚姫』)

ツイート  人魚姫は声を失う代わりに足を手に入れました。人魚姫を助けるためにお姉さんたちは長いきれいな髪の毛を差し出して王子を殺す短剣を手に入れました。 わかりますね?何かを手に入れるためには何かを失う。何もかも手に入れ […]

2016/03/28
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小説

『時皿』にぽっくめいきんぐ(古典落語『時そば』『猫の皿』)

ツイート  平成の時代、駅前にはそば屋がたくさんありました。すばやくさっと食べられるので、忙しいサラリーマンが良く利用していました。  ある晩のことです。寄席帰りの一人の男が駅前にやって来ました。 「真打の噺はさすがだっ […]

2016/03/28
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小説

『風が吹くとなぜ桶屋が儲かるのか?』あまりけんすけ(浮世草子『世間学者気質』)

ツイート  そこは春の嵐のような強風が吹き抜けている昭和初期の甲州街道八王子の町はずれ。その街道沿いに昔からの桶屋が店を開けていた。 主の庄三は四十がらみの腕のいい職人気質の男だが、少しばかり気難しい。良くいえばいろんな […]

2016/03/28
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小説

『灰かぶりのC』猪口礼人(『シンデレラ』)

ツイート 「二人は永遠に幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」  火鉢を前に読み聞かせる私の膝に座るのは孫娘のケイコ。仰ぐようにして私を見上げる。 「おばあちゃんのそのガラスも、王子様がくれたの?」  ガラス? 一瞬 […]

2016/03/28
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小説

『3番ホームで』宮本ともこ(歌舞伎『勧進帳』)

ツイート  私の名前は冨樫。仕事はローカル線の車掌だ。私は涙もろい性格で、高校生の娘が録画しておいたテレビドラマを一緒に見るのが楽しみだ。スートーリー展開の早い海外ドラマよりも男女間のもつれを描いたラブストーリーが好みで […]

2016/03/28
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小説

『瑠璃色の記憶』本多ミル(北原白秋『あめふり』)

ツイート  都心から少し離れたベッドタウンの駅前ビルは、毎日そこそこ賑わっている。地域の住人が、日常の買い物やファストフード店などの利用で重宝する。その最上階の4階はずれに、昨年末にできた占い館は女性に注目され始めて、ち […]

2016/02/26
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小説

『裸の王様』anurito(『裸の王様』他)

ツイート 「つまり、かぐや姫の正体は、月から来たシレナイト(月人)、宇宙人だったんだ。地球に来た目的もはっきりしている。彼女が、結婚の条件として花婿候補たちに要求した宝物だ。龍の首の珠、火鼠の皮、燕の産んだ子安貝、そう言 […]

2016/02/26
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小説

『面白い勝負』℃(『平家物語』)

ツイート  海面が夕暮れに揺れる中、赤い旗を掲げた小舟が一つ、血の臭う浜へと近づいてくる。  他の舟に動きはなかった。沖で列をなしたまま、小舟の動向を静かに見守っている。  一方、浜には白い旗指物が並び、鎧兜に身を包んだ […]

2016/02/26
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小説

『不自由な幸福』長月竜胆(『アザミを食べるロバ』)

ツイート  男に引かれ、あぜ道を行く一頭のロバ。背には収穫された野菜や穀物などが積まれている。人を手伝って様々なものを運搬するのがロバの仕事だった。  途中、立派なアザミが群生している場所を通りかかると、ロバは足を止めた […]

2016/02/26
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小説

『白昼夢』斗哉真(新美南吉『手袋を買いに』)

ツイート  昼下がりのゆとりのある時間など、一人でいると、何かの想いがふと頭をもたげることがある。白昼夢だろうか、甘く曖昧な輪郭のそれは、デジャヴ、というにはもう少し具体的な、記憶のようなものだろう。  先日、私は少々荒 […]

2016/02/26
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小説

『神かくしにあった少年』小笠原幹夫(『諸国里人談』)

ツイート  時間の経過――時の流れというものほど不思議なものはありません。退屈な教師の授業を聞いていると一時間がひどく長く、劇場や寄席で演芸を楽しんでいると同じ一時間がひじょうに短い。また、いまわたくしが、「自分は一、二 […]

2016/02/26
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小説

『町が見た夢』戸田鳥(小川未明『眠い町』)

ツイート  姫には、誓いを交わした若い王がおりました。  けれど結婚の儀式を前に、見知らぬ方からやってきた人間たちが、王の領土を奪ってしまいました。緑豊かな美しい郷土を愛する王は、野が刈られ森の木が切り倒されして荒れてい […]

2016/02/26
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小説

『狸釜』化野生姜(『ぶんぶく茶釜』)

ツイート 「ほら、出てきましたよ…。」 そう言うと、住職は嬉しそうに障子の隙間を指差した。 私はあまり気乗りしなかったが、住職に促されるままにそこを覗いた…。 …縁側に、月光を浴びる茶釜があった。 それは鉄でできており、 […]

2016/02/26
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小説

『若返りの水』井上岳人(日本昔話『若返りの水』)

ツイート  昔むかし。  山のふもとの小さな村に、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らしていました。おじいさんは毎日山に入り、山の木を切って炭を焼きました。できあがると俵に詰めて、近くの町ヘ売りに行きました。でもおじいさん […]

2016/02/26
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小説

『座布団』村崎香(田山花袋『蒲団』)

ツイート  隣の席に新入社員がやってきた。年は二十代半ば、ゆとり世代と言われて久しい年頃には似合わず、黒い髪を一つに束ねて薄化粧で顔を彩り、元の素材の良さがよく見える女性だった。小柄で人形のようにも感じられるが、人形は人 […]

2016/02/26
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小説

『亀の角兵衛』NOBUOTTO(『浦島太郎』)

ツイート 1 竜宮城  「角兵衛。角兵衛」と乙姫のヒステリックな声が乙姫殿から聞こえてきた。竜宮宴会場の後片付けの指揮を取っていた亀の角兵衛は、ふーっと大きなため息をついてゆっくりゆっくり乙姫御殿へ向かって這って行った。 […]

2016/02/26
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小説

『ものがたりの続き』原口りさ子(『人魚のひいさま』)

ツイート 「海の上へと行ってはいけないよ。」  人魚の母親たちは、人魚姫の物語を話した後、かならず子供にそう言い聞かせます。 「海の上には人間がいるからね。人間たちは、私たちのこの鱗、この魚のしっぽを何よりも醜いものと考 […]

2016/02/26
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小説

『また会えますね』吉倉妙(『夢十夜』第一夜)

ツイート  残業続きの仕事に嫌気がさし、三年と九ヶ月勤めた会社を辞めて、単発のアルバイトをしながら二度目の就職活動をしている僕は、最近、とある便利屋からの仕事を受けるようになった。  きっかけは、年末年始のデパートのバイ […]

2016/02/26
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小説

『トマトジュースは健康に良い』祀水(『ヘンゼルとグレーテル』)

ツイート 「ハァッ……ハァ……ッ」  姉と妹は走っていた。  その手にトマトを持って。  二人は元々裕福な家の娘だった。ところが、順調に思われた父親が事業に失敗し、路頭に迷ったところで両親が流行り病で帰らぬ人となり、今で […]

2016/02/26
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小説

『それぞれの密』柿沼雅美(谷崎潤一郎『秘密』)

ツイート  寝室は別がいいと言った。  それは決して愛していないからではなくて、仕事から帰ってきて風呂に入って団らんというものをして、さてじゃあ寝るか、と一人きりになったときにやっと自分で自分を慰めてやれるような気分を捨 […]

2016/02/26
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小説

『そうよ相応』番匠美玖(『人魚姫』)

ツイート 「レイネス、いい加減になさい! 貴女もう二十歳になるのよ。そんな妄想に浸ってないでさっさと結婚なさい!」  ガンガンと耳に響く声で怒鳴ってきた母様に、あたしはその場で身をひるがえした。 「いやよ。あたしも姫様み […]

2016/02/26
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小説

『シンデレラの継母』泉谷幸子(『シンデレラ』)

ツイート  彼女がその屋敷に後妻としてやってきたのは、ちょうど30歳の年のことだった。前夫が病気で亡くなり1年たって喪が明けてから、人の紹介で今の夫との縁談が持ち上がった。今の夫も2年ほど前に妻を亡くしていた。連れ合いに […]

2016/02/26
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