○選んだ作品:
『恋人がゾンビになってしまったら』乘金顕斗(『山月記』)
○選んだ理由:
修ちゃんがゾンビに変身したことがとても自然な成り行きに感じられる展開と語り口に引き込まれました。人間から強い虎に変身するならまだしも、よろよろのゾンビになってしまう修ちゃんの弱さがなんだかとても現実味があって共感できる作品でした。作中に出てくる舞台もタイトルだけでどれも面白そうで、見てみたいです。
第7回ブックショートアワード(2021年3月締切)最終候補作品の著者の皆様に、ご自分以外の作品のなかで最も面白いと思った作品をアンケートで答えていただきました!
(順不同 / ご返信いただいた方のみ記載)
○選んだ作品:
○選んだ理由:
修ちゃんがゾンビに変身したことがとても自然な成り行きに感じられる展開と語り口に引き込まれました。人間から強い虎に変身するならまだしも、よろよろのゾンビになってしまう修ちゃんの弱さがなんだかとても現実味があって共感できる作品でした。作中に出てくる舞台もタイトルだけでどれも面白そうで、見てみたいです。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
日頃、私は高齢者の介護に携わっており、その中には一人暮らしの高齢者が多くいらっしゃいます。主人公のおじいさんのように一見すると『頑固』や『気難しい』というイメージを抱かれる方々でも、長い人生において様々な背景が存在し、何かを抱えて生きている方は決して少なくありません。今後も一人暮らしの高齢者は増加していきます。イメージをラベリングするのではなく、その方の人生を見つめるということを広く知っていただくためにも非常に意義ある作品だと感じました。おじいさんが迎えた最期も安らかで幸せなものだったと思います。胸が熱くなる作品でした。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
スカッとして気持ちの良いお話だな、と思いました。
山月記は、我々世代(30代~40代)は、小学校か中学校の国語の教科書で読んだ人が多いのではないかと思います。
虎になった李徴の孤独、悲哀、憎悪や現世への物言いを勢い良く打ち破る袁さん(すみません、漢字が出ません)の斜め上の受け答え、それに救われる李徴に、爽やかな希望を感じ、とても読後感がよいお話だと思いました。
また、このやり取りは、漫才、あるいは落語的な男性二人のやり取りが頭に浮かびますが、映画の形にすると、どれほど立体的になるのか興味があり、「推し作品」とさせていただきました。
(できたら自分が受賞したいですが)本作が受賞されたなら拍手喝采です。おめでとうございました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
先の読めない物語の面白さと、いつか見た教室の光景を映しだす表現力はもちろんのこと、読んだ人の、胸に沈んでいた思い出を浮かび上がらせ、まだ見ぬ感情を想像させるような力を持った作品でした。この作品がもっとも大賞に相応しいと思います。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
ヨシノの持つ強かさと危うさのバランスが絶妙でした。緊張感のある展開にドキリとさせられましたが、最後にじんわりとしたあたたかさがあったのが良かったです。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
単純に良い話だと思ったからです。青年と老人の交流という、言うなれば王道を、奇抜さなどに逃げることなく真っ直ぐに書いた姿勢に好感を持ちました。また、ショートムービーを思わせる映像的な雰囲気があり、コンテストの主旨に適していると考えた次第です。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
勢いとオリジナリティが群を抜いていると感じました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
「恋人がゾンビを演じたまま戻れなくなる」という突拍子もない設定と、
登場人物たちを取り巻く状況や彼らの抱える悩みといった「現実」の溶け合った感じが
コメディともシリアスともつかない不思議な雰囲気を醸していて、とても魅力的だったからです。
今の、この時代に書かれた「山月記」として、多くの人に読み継がれてもらいたい作品であるとも思いました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
昔ながらの日本の風情を感じさせる文章が美しく、光景がひとつひとつ、目に浮かびました。
「私」の複雑な心情の変化や、「彼女」に思わぬ事を言ってしまう前後のやりとりも流れが自然で、切ない気持ちになりました。
最後のつづらという言葉の使い方も、詩的で素敵でした。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
狂気と美しさがバランスよく紡がれたストーリー。
天才肌の女子高生に振り回される、凡人の教師。
教師はすべてのバランスを取ろうと右往左往するのだが、
秘めたる天才の想いを、理解するまでに至ることが出来ない。
私の中では、山頂を目指しているはずの素人登山家が、
登っても、登っても山頂に到達できない。
しかも、その道は険しく危険な道を歩んでいるような印象を受けました。
この小説の後日談が読みたいと思わせる作品だったため、
相応しいと考えました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
自身の辛い経験から、何事にも「バランス」をとろうとする紗栄子の行動は可笑しくもあるが悲しくもあり、心を打たれる。話の展開自体にも可笑しさがあるのだが、軽妙でユーモアのあるやり取りが心地よく、最後は爽やかな気持ちになれた。