7月期優秀作品発表
全文公開中
Earth Act For Life AWARD7月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品17作品です。
『パシャ!』
伽倶夜咲良
一人娘の夢桜が生まれてすぐに買ったデジタル一眼レフカメラ。夢桜の成長していく姿を残す目的で買ったカメラだ。夢桜と、パパと、私の記録。ありふれた日常の記録ではあるけれど、それは私にとってかけがえのない宝物……
『ただいま』
室市雅則
母の納骨を済ませた翌日に姿を消した父が突如、帰ってきた。しかも隣には若い女性を連れている。父は息子にその女性を「母」と紹介するが…
『おとうさま』
広瀬厚氏
五人の子供達の父親である山田一郎は、子供達に自分のことをお父様もしくは父上と呼ばせている。とくに家柄が良いわけでも何でもないのだが、あえてそう呼ばせている。この現代平成の世において、なぜ一郎は子供達に自分のことを、お父様などと言う今どき珍しい呼び方で呼ばせているのだろうか?
『幸』
一賀
恋人に振られ、無職になり、東京から実家に引っ越してきて3ヶ月が経っても何者でもないことを気にしているサチ。姪の「命(めい)」ちゃんとシャボン玉を作って遊ぶが何だか様子がおかしいことに……?
『ボロ家とせっけん』
村崎えん
「お化け屋敷」と呼ばれていたボロ家で過ごした幼少期。貧乏だったけど、母はいつも明るかった。家を出て初めて気づく、母の想い、自分の成長。
『永遠記念日』
藤崎伊織
家族を遺して死んでしまった私は、何故かあの世からのお迎えが来ないので、家族の日常を眺めて過ごす事にした。霊だけに会話が出来ないもどかしさにやきもきしつつも、家族の大切さと愛しさを噛みしめる。夫への愛情、家族の温かさ、別離の寂しさ、遺していく無念さ、自分の様々な感情に直面する。
『夏のうたたね』
ノザキマサコ
母を亡くした私は心の何処かで帰れないあの日を想っていた。そんな私は、毎月実家に帰る。懐かしさに浸るために。
『あの日のわたしへ』
あきのななぐさ
スーパーのレジで、小気味よいバーコードリード音を聞きながら、それまでゆったりとした気分で買い物をしたことがなかった私は、その雰囲気を楽しんでいた。何となく、それぞれの買い物カゴの中を覗き見る。そこには、それぞれの生活がつまっていた。
『たことカーテン』
半田縁起
普段働きづめの主人公は貴重な休日に、息子に誘われて凧揚げをすることにした。辺りが暗くなって息子に帰宅を促すも帰りたくないと駄々をこねる息子に、主人公は怒鳴ってしまう。帰り道に会った妻と家に帰ると、息子たちが手作りの結婚式を用意していた。