10月期優秀作品発表
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SOLARE AWARD10月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品14作品です。
『ネックレスとネクタイ』
二村成
大井川研二は、妻の咲子と一人娘の友紀を連れて、伊豆旅行に出かけた。旅先で、学生時代の恋人、瀬戸京子から十数年ぶりにメールが届く。研二は京子に誘われるままに、待ち合わせのスナックに出向いた。そこに現われたのは、咲子と友紀だった。そこで研二は家族をつなぐ絆に気がつく。
『ホテル・真夜中の庭』
もりまりこ
仕事にも日常にも破れかぶれになっていた彩夏。ある日、年上の女性にすすめられた「鳥の庭園」を訪れると。そこにいた庭師のおじさんから渡されたのは「かなしみよこんにちは! マップ」だった。そこに記された場所が、気になって彩夏は訪れてみることにした。
『風待岬の美容室』
明里燈
スランプ中の若手小説家の明良は、地元で療養中に子どもの頃にお世話になった岬の突端の美容室に行くことになる。代替わりした店は息子の三朗が経営しており、明良は三朗に髪を切ってもらううちに、スランプを乗り越えるヒントをもらい、三朗の父と交わした大事な約束を思いだす。
『RED LINE(青空に舞う赤い糸)』
新田塚道雄
男女のつながり――赤い糸の実物が見える能力を持った私は、街を歩くたびに見たくない男女の糸のもつれを目撃してしまう。逆にこの力を生かそうと、婚活コンサルタント会社に就職した私は優秀な成績を上げた。社長の息子の婚活を依頼されるが、その瞬間、私自身が彼と赤い糸で結ばれるのを目撃した。
『オレンジと絵』
乃木棗
美咲は、観光目的で東京から地方に来た。ロビーでくつろいでいると、ある男に声を掛けられる。その人は、そのホテルに飾る絵を描くために都会的な人を探していたという。初めは怪しいと思っていた美咲だが、その男の話を聞いてそれに協力することにしたのだった。
『制服を着た恩人』
さゆり
ふとしたきっかけで挨拶をするようになった「私」と駐輪場の管理人。最初は戸惑う私だったが、いつしか他人と接することの温かさに気づく。そんな時に認知症の祖母が居なくなる。焦る私の目の前に広がる光景は…。
『人は人と出会い、そして成長する』
ウダ・タマキ
翔太の父、雄太の仕事は発展途上国で農業の指導をすること。なかなか帰国する機会の無い雄太が珍しく長期間帰国することになった。翔太にとって初めての一泊二日の家族旅行。旅先で漁師の息子である同級生の海斗との出会いがあった。彼との出会いが翔太に大きな変化をもたらした。
『ミロ』
藤原光平
パンセクシャルである旭と柚珠とのドラマ。柚珠は生まれつき耳が聞こえない為、二人は一冊のノートを介して惹かれあっていく。しかし、旭は柚珠との違いに目を背けられないまま時だけがすぎる。ある日ノートを開くと柚珠からのメッセージが。旭は柚珠の元へ走りださずにはいられなかった。
『なんか』
室市雅則
彼女に振られ一人旅に向かった男。ホテルにチェックインをするが、ホテルの手違いでオタクの男と相部屋になってしまう。