○選んだ作品:
『人魚とダンス』戸田鳥(『人魚姫』)
○選んだ理由:
人魚姫というと暗かったりちょっと怖かったりするイメージがあるのですが、このお話は普通の人間同士のほんわかした恋物語のようで、それが新鮮でした。大きな盛り上がりなどなく淡々としているのに、魅力的で余韻も素敵です。
ブックショートアワード2016年度3月期の優秀賞受賞者の皆様に、ご自分以外の作品のなかで最も面白いと思った作品をアンケートで答えていただきしました!
(順不同 / ご返信いただいた方のみ記載)
○選んだ作品:
○選んだ理由:
人魚姫というと暗かったりちょっと怖かったりするイメージがあるのですが、このお話は普通の人間同士のほんわかした恋物語のようで、それが新鮮でした。大きな盛り上がりなどなく淡々としているのに、魅力的で余韻も素敵です。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
一見おとぎ話かな?と思わせながら、中身は現代社会の生臭さが広がっていて、それが嫌味でなく面白いのが書き手の力だなぁと感じました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
外だったので笑いをこらえながら読みました。変質者とは違った崇高な趣味を持ち、そこに美しさを追求していく主人公。それは愚かな者には分からぬ美しさ。心と体の裸の王様っぷりがとても面白かったです。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
こういうおばあさんと出会いたいなと、優しい気持ちになる小説でした。前向きになれるお話でとても良かったです!
○選んだ理由:
つい最近、海外ドラマ版のハンニバルを見ていた所為か強烈に印象に残ってしまった。翔子の料理は何故そこまでに健一を魅了したのか。愛した者を喰らう。それは至高のカリバニズムと言えよう。サイコホラーは好物です。
○選んだ理由:
私は歌もダンスもスーツの事も、どれも造詣は深くないけれど、踊るような歌うような文体から主人公が何か素敵な事を起こそうとしているのだと伝わってくる。読んでいるだけでうきうきしてくるような話でした。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
昔の角川ホラー文庫を思わせるような不気味で得体の知れない世界が気持ち良かった。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
もの凄く乱暴に言ってしまえば、ただ男がスーツをオーダーしてそれを受け取るだけの話なのに、どうしてこんなに胸ん中、どきどきとも、ぞくぞくとも、ひどく鳴るんでしょうか。いけないものを覗いてしまったような、それでいて目を塞げないでいるような、興奮。ほんと「たまらないよ、シビレる」な小説でした。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
ストーリーも設定も面白いと思いました。でも理由が憶測で終わったの残念でした。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
少ない情報と対話の多い展開は童話のようなテンポがあり、人間味のある内容と相まって短編ならではの読みやすさと切れ味を堪能できました。読後感もよくて好きです。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
どこまでも自分の容れ物に(ひいては中身にも)執着のない「私」と、最愛の人の姿をした容れ物が(そしてその中身も)欲しくてたまらない「先生」の対比が冷たいような熱いような不思議な感覚で、気持ちよくゾワゾワしました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
誰の中にもある「自分が一番になりたい」と「他人を評価できる自分でありたい」の葛藤が、テーマかなぁと思いながら、共感しながら読みました。葉子が常に意識してきた「にとちゃん」の人生が簡単なものではなかったと気付く心の動きが、読後の爽やかさであり、百瀬さんの素晴らしい一人称文章で書かれていると思います。タイトルもいいですね!
○選んだ作品:
○選んだ理由:
そのまま昔話として語り継がれていそうなほどです。そぎ落とされていてとても中身が濃く、一気に読ませる力量に圧巻でした。私には書けないタイプのお話で尚のこと惹き付けられたのだと思います。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
友人の死というテーマに対し、斜に構えることなく真正面から向き合った作品。主人公の思いと言葉がいちいち優しく、美しい。けして楽しい話ではないのに読後感が爽やかなところは、原案の「よだかの星」にも通じる。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
一気に読むことができました。咲き乱れる桜の恐ろしさ、死を目前にして変わり果てた妻への苛立ちと恐れ、二人きりに追いつめられていく夫婦の姿が残りました。極限の閉鎖された時間の中でそれでも残る愛情は幻想でも夢でもない、二人が行き着いた景色のように思えました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
コロンブスの卵ではありませんが、後になって「こんなこともわからなかったのか」と言われたところで、いくら自分ひとりで考えたところでわからないことはわからなかったりするのです。そして個人的には、「ほんとうにみんなわかっているのか?」なんて、はすに構えてしまったりします。 「わかっている」という顔でふんぞり返る前に考えるべきことを思い出させてくれる作品です。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
桜の眩惑さとボーイミーツガールの刹那さを淡々と、けれど情感溢れる感じに描いているところに惹かれました。あと、日常と幻想性のコントラストが良いと思いました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
不思議な出来事が起きているにもかかわらず、淡々と進んでいく様が面白かったです。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
十代の少女の感性がとても丁寧に描かれていて、共感できるところがたくさんあり、どんどん読み進むことができました。その年代を通り過ぎたからこそ俯瞰できるのかもしれませんが、十代の子にも読んでほしい作品だと思いました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
「肉がむき出しになった傷口を柔らかい舌で舐めるような、そんなやり方でしか耐えられない痛みもある。」そういう苦しさを体験した人でないと書けない言葉だなと、深く胸をつきました。「こびと」というリアルな虚構と、「OL生活」という現実(人物造形もお見事)が違和感なく織り交ぜられて、我知らずこびとをカウントしながら読んでいました。at home AWARDの「ラビリンス」にも見られる、「ありえないけどあり得そう」な世界観と巧みな文章力でこれからも読者を魅せてほしいです。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
優しかった妻が重い病気を患うことで変わってしまう。これは優しい妻を持つ(実に少数の)夫たちが共通して怖れる悪夢でしょう。桜の下の狂気が美しく切なく心を打ちました。