新社会人の息子を持つ小心者の母、久美子。慢性的な虚無癖に気づきながらも、夫婦共にお得にもてあそばれる日々を送る。毎日の発信されるテクノロジーや経済のニュースは、自分とは無関係の世界だと思っていたが、息子の入院をきっかけに、息子の友人達が自宅に来ることになり・・・・
社会に出て学んだ。才能がある人は油断をしない。その人が本領を発揮したら、僕に勝ち目はない。偶然出会ったストリートミュージャンのマユコもまた、才能に溢れ、なおかつ努力を怠らない人物であろう。コツコツと努力するしか能がない僕は、いったい、この先どのように生きていけばよいのだろうか。
マスクが、風に飛ばされていった。飛んだマスクの方向を見ていたら、鳩の姿があった。公園の中で鳩たちは忙しそうに首を動かし、土をついばんでいる。都会に住む鳩たちは人間に対しての警戒心もなく、そばにいけば何か貰えると思っているのだろう、誰に対してもほぅ、ほぅーと鳴きながら近寄ってくる。
久しぶりに実家に帰省した兄は、弟が悪魔のような反抗期に突入したと確信。母の愛がこもったお弁当を置いていった弟に喝を入れるべく走る。そして走らなければならない理由はもう一つ。道中、旧友の元に寄って昔の記憶を懐かしみながらも兄は走る、走る。弟のお弁当と、小さい頃の約束を抱えて。
デイサービスに通う栗山道子は、クリスマス会のバザー用に手編みのニット帽を準備した。その日は、今季一番の寒さで、売れ残った二つの子ども用のニット帽を、いつも参拝している水子地蔵に被せてあげた。その夜、そのニット帽を被って家に現れたのは、幼少期戦争で亡くした親友と兄弟だった…。
『The 27 Club』1969年から1971年の短期間に複数の人気ミュージシャンが27歳という年齢で死亡したことにより生まれたジンクスを元にしました。