HOPPY HAPPY AWARD12月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品34作品です。
『ダイエット』
鷹村仁
父親が娘の“三者面談”に行くことを告げたら「来るな!」と言わんばかりの嫌悪感丸出しの顔をされた。原因は“太った体”と“臭い口臭”だった。ショックを受けた父親は、三者面談に向けて奮起する。
『はたらいて』
室市雅則
念願の自分の店を開店させたが、繁盛とは縁が遠く、五年で畳んでしまった男。
家族を養うため、全く違う職に就職し、男は働く。
『ホッピーはおまじない』
まつむら
小さい頃からおばあちゃんこだった介護士の笹川は30歳の誕生日を迎えようとしていた。今まで仕事ばかりの生活だったせいで、友達も恋人もいない。誕生日はちょうど休日だったが何の予定もない。そんな時に後輩の瞳と仕事帰りにばったり会う。
『季節は巡り』
ウダ・タマキ
約二十年ぶりに再会する高校時代の友人たち。俺以外の三人は優雅な人生を歩んでいるが、俺ときたら彼らへの劣等感から再会に一歩踏み出せないでいた。しかし、頼まれたら断れない性格の俺は、行くかどうかさえ迷っていたくせに店の選定まで引き受けてしまう。
『断然ホッピー』
中村克也
転職した私はホッピー好きな課長と働くことになる。ホッピーが苦手な私は課長から変なあだ名と、素晴らしい指導を授かる。売り上げを伸ばし社長賞をもらった日、課長から意外な謝罪を受けることに。
『東京と父とホッピーと』
中村なな子
東京に染まりたくて、初めてホッピーを飲んだ上京3年目。ホッピーデビューして得意気になっていた私は、出張で東京に来ていた父をいつもの居酒屋に連れて行った。父が初めてホッピーを飲んだ姿を思い出す。
『桜の花が咲く頃に』
潮楼奈和
酒に弱い営業マン佐倉は、接待中に酔い潰かけて、居合わせた女にホッピーを使ったカクテルを勧められる。彼女が気になった佐倉は、居酒屋に通うようになる。店で再会はできなかったが店員から彼女がバーテンダーを目指していると聞き、複雑な思いを抱える。やがて彼女と佐倉は意外な場所で再会する。
『雪見ホッピー』
小野みふ
初雪が舞い散る、都会の夜。日本語教師の杏珠は、生徒が置き忘れていったコートを抱えて、教室から飛び出す。地図を片手に道に迷う中、豪華なリムジンが颯爽と現れる。優雅な気分でホッピーを飲みながら、杏珠がたどり着いたところは――。心がわくわく踊る、雪のホッピーファンタジー。
『君と飲んだ、あの日々の思い出を胸に』
矢野李佳
ウィーンに住む七十二歳の十蔵は、単調な毎日を送っていた。そんなある日、ホッピーと二人旅をする旅行者、美和と知り合う。老人と若者、男と女、未婚と既婚、旅行者と定住者。対照的な二人だったが共に過ごし語らう内に、それぞれの中でささやかな変化が起き始める。