HOPPY HAPPY AWARD12月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品34作品です。
『はだかの跳躍』
中山優輝
成人を迎えた青年が大人への一歩を踏み出そうと一人居酒屋へ行く。他人とは異なる飲酒体験をするため一人席に着くが、何を注文していいのやら分からず困惑する。考え抜いた末、注文したのはなじみのない「ホッピー」という名の酒であった。
『ホッピー!イネッピー!ウッパッピー!De ハッピー!』
広瀬厚氏
初めてホッピーを飲んで大変気にいったイネサワ市役所企画政策課長の米田は、本来宣伝すべき市のマスコットキャラクターであるイネッピーをそっちのけに、個人的にではあるがホッピーの宣伝にあけくれる。それがたまたまホッピー関係者の目にとまりホッピーとイネッピーのコラボの話が持ちあがった。
『ホッピー満タン入りまーす』
はるまきこ
居酒屋の若女将の日常。ホッピーをメニューに加えたことにより、常連のお客さんの新たな一面を発見したり、お客さんとの会話に繋がったりと、ホッピーのちからを感じたことを書きました。ホッピーを提供する側の私の日々を楽しんで頂ければと思います。
『悔しい時も、嬉しい時も』
黒藪千代
家族との間に温度差を感じていた美玖。そんな時、就活中の姉、夏美が本命の会社に落ちた。落ち込む夏美を励まし家族で一緒に飲んだホッピー。その後社会人となった夏美が見せた成長に、それぞれの喉を通るホッピーが一層美味く感じる。
『映画の片隅で』
やまとも
歳の近い叔父との思い出のなかにホッピーがあった。十代の頃を一緒に過ごした叔父は役者を目指して上京していった。私は個人的な事情から叔父と距離を置き、叔父が二十五歳の若さで亡くなるまで連絡を取ることはなかった。そんな折、叔父の遺品整理をしているときに彼が出演する映画のDVDを見つけた。
『先生の恋』
金井貴弥
居酒屋「源八」で知り合った「先生」とは、ポッピー仲間だった。ある日先生は「源八」にふと現れた女性が同じ高校野球ファンだと知り、彼女に好意を寄せる。高校野球を通じて交流が始まったが、秋になると二人は店に現れなくなった。「私」は、先生と待ち合わせた赤羽でその恋の顛末を聞くのだった。
『腹筋の鍛錬に余念のない丸山部長の話』
日出彦
地方の営業所に異動を命じられた入社二年目の柴山朔太郎は、出世ラインから外れた気分で、がっくりと肩を落としていた。新たに朔太郎の上司となるのは丸山徳次郎という名物部長。なんでも、丸山は腹筋の鍛錬に余念のない人と評判のようなのだが、果たして……?
『思いのままに』
緋川小夏
別れを決めた美鶴は恋人である「先生」を呼び出して話をしようとする。すると「先生」に二人で初めて行った居酒屋に誘われて、ホッピーで乾杯をした。そこで美鶴が「先生」に渡された最後のプレゼントとは……。
『父と娘のホッピー戦争』
オガワヤス
40代半ばを迎えた池本明彦は、一人娘のしおりとの関係に悩んでいた。反抗期のため、父親とはまったく話をしてくれない。一方で、しおりの同級生の娘を持つパパ友の田代は、娘との関係が良好。田代から教えられたホッピーで、明彦は娘との関係改善に奔走する。果たしてホッピーは父娘の潤滑油となるのか?