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               国際短編映画祭につながる「ショートフィルムの原案」公募・創作プロジェクト 奇想天外短編映画 BOOK SHORTS

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Category 小説

小説

『裸のオーサワ』丸山肇(『裸の王様』)

ツイート  4歳になった孫の将平を膝に抱いていると「おじいちゃん、お口臭い……」って言われたんだ。それって「オレが今まで『裸の王様』だった」っていうことだろうかと思ったね。  オレは大澤平蔵。オーサマじゃなくてオーサワだ […]

2015/02/19
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小説

『雪花』沖原瑞恵(『雪女』)

ツイート  日が沈む頃になって、雪が降り始めた。ほろり、ほろりと舞い降りては地を覆ってゆく様に、弥作(やさく)は柳眉をひそめ、切れ長の目を背ける。冬は嫌いだった。死んだ父の、皺まで凍った顔を思い出す。その時十三だった弥作 […]

2015/02/19
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小説

『おはなしおねえさん』山本大文(『ねずみの嫁入り』)

ツイート  小学校三年生のワカバの、将来の夢は、おはなしおねえさんになることだった。おはなしおねえさんというのは、土曜日日曜日に、図書館のキッズルームに子供たちを集めて、昔話や絵本を読んで聞かせる人のことだ。ワカバは幼稚 […]

2015/02/19
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小説

『甘やかな病』柿沼雅美(『少女病』田山花袋)

ツイート  山手線、朝の七時二十分、ホームの列の中で、すみれはいつもと同じ五両目の後方のドアが開くのを待っていた。ドアが開くと同時に人が吐き出され、吐き切れないまま、また人を呑み込んでいく。背中を押されながら電車に乗り込 […]

2015/02/19
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小説

『陽のあたる帰り道』清水健斗(『姥捨山』)

ツイート  子供の頃、母とこの道をよく歩いた。  運動会の後、手をつなぎながら。ガキ大将にいじめられた僕を見て相手の家に押し入った後、妙に恥ずかしくて照れ笑いしながら。自転車の練習で傷だらけになった僕の頭をくしゃくしゃに […]

2015/02/19
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小説

『幻肢譚』生沼資康(『雨月物語 – 夢応の鯉魚』)

ツイート  最近よく夢を見る。それも同種類の夢だ。  それはいつも、夢の中にもかかわらず爽やかな目覚めから始まる。真っ暗で昼か夜かわからない闇の中での目覚めだ。しかしながらこの夢の中での目覚めは、それはそれは現実世界での […]

2015/02/19
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小説

『空の箱』湊杏(『浦島太郎』)

ツイート  親父が死んだ。  一ヶ月前の嵐の日、みんなが止めるも聞かずに、たった一人で漁へ出て、文字通り、そのまま帰らぬ人となった。  空っぽの棺桶を前にしめやかに葬式は続き、箱だけが煙となって秋風に溶けていった。 通夜 […]

2015/02/19
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小説

『背伸び、しない!』原豊子(『狐と葡萄』)

ツイート 「御社を志望した理由は―……」  私の人生、今までなんだかんだ楽をして乗り越えてきた。中学はそこそこ頭のいい私立の女子校に、定員割れですんなりと入学した。一貫校だったので、もれなく高校受験もなく、クラス分けテス […]

2015/02/19
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小説

『小豆橋』原哲結(『妖怪 小豆洗い』)

ツイート ショキショキ ショキショキ ショキショキ ショキショキ 俺、小豆洗い、なんだけど。 小豆、洗ってるんだけど。 妖怪、なんだけど。 “小川べりで、小豆洗うしか能が無い妖怪”ってどうよ。 一日三百六十五日二十四時間 […]

2015/02/19
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小説

『小さな姫の帰還』村越呂美(『おやゆび姫』)

ツイート  おやゆび姫。あの話には納得のいかないところがあった。  どうして、おやゆび姫のお母さんは、あんなにおやゆび姫を可愛がっていたのに、さらわれたお姫様を必死になって探さなかったのかってところだ。  ある日ふらっと […]

2015/02/19
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小説

『浦島太郎』浴衣なべ(『浦島太郎』)

ツイート  「自分に近しい相手を選びなさい。そうすれば、例え何があっても必ず幸せになることができるのだから」  泣き虫だった母が私によく言っていた言葉だ。母は失踪した父のことをよく話していた。そして、そのたびにボロボロと […]

2015/02/19
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小説

『あしながおじさん』香田希子(『あしながおじさん』ウェブスター)

ツイート  九月二十六日  美しい植物の彫模様が入ったマホガニーのテーブルの上に、可愛らしいピンクの封筒が置かれている。ジャーヴィス・ペンドルトンはその封筒を手に取るとペーパーナイフで破り、中の手紙を読んだ。  ジェルー […]

2015/02/19
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小説

『日出ずる村の記』虫丸尚(『聖徳太子伝記』)

ツイート  南北に連なる山々は、古代より大和と河内の国境(くにざかい)だった。今でも地図を広げると、縦走する尾根筋に県境を示す破線が引かれている。この山の西麓には、長い年月を経て一種の扇状地がいくつも形成された。そのゆる […]

2015/02/19
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小説

『ウサギと亀の青春』青居鈴(『ウサギとカメ』)

ツイート  まるで映画を見ているようだった。 「惜しい人を亡くした。」「まだ若いのに。」「あ、お久しぶりです、お元気でしたか。」弔問者の会話ははるか遠くで交わされる夢物語のよう。小山は世界から一人切り離され、暗闇にたたず […]

2015/02/19
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小説

『マヨイガ』土橋義史(『遠野物語-マヨヒガ』)

ツイート  この前俺さ、釣りに行ったんだよ。その日は渓流釣り。ヤマメ狙い。でね、最初は調子よかったんだけど、段々食いが悪くなってきたもんだから、ちょっと場所を変えようと思って更に上流へ向ったんだよ。そうしたら、森の向こう […]

2015/02/19
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小説

『海亀の憂鬱』泉谷幸子(『浦島太郎』)

ツイート  ある日ある時、海の中のとある宮殿に、大きな海亀がやってきました。竜宮城の乙姫様にお仕えする亀が、海神様に100年に一度の報告をするために参ったのです。これでもう100回目、いや200回目くらいの報告になるでし […]

2015/02/19
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小説

『走ってるんだよな? お前』川月周(『走れメロス』太宰治)

ツイート 「すまん」  俺はずっとこの言葉が引っかかっていた。 「あと九時間か。まだまだ長いな」 目の前のソファーに座る男が不適に笑う。間にある大理石で出来たテーブルの上には契約書。サインはもう入っていた「阿戸嵐助(あと […]

2015/02/19
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小説

『白い手袋の男』あおきゆか(『妙な話』芥川龍之介)

ツイート  あれは大学一年の夏休みでした。  その頃の僕は毎日通りの向こうからメガホンで連呼される誰かの名前で目をさましていました。「清き一票を、どうか○○×△にお願いします・・・」○○×△さんは、まるでそれがとてもめず […]

2015/02/19
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小説

『ランプ屋』林ミモザ(『こぶとりじいさん』)

ツイート 「…これさえ、なければなあ」  出勤前の慌ただしい身支度を整えながら、今日も美咲は鏡に映った自分の顔を不満げに見つめる。  そのこぶは左の頬骨のすぐ下に、ごく慎ましげな佇まいでぽっこりとあった。  美咲の肌は北 […]

2015/02/19
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小説

『アリとキリギリス』山田洋州男(『アリとキリギリス』)

ツイート  キリギリスは歌を歌っています。  アリはそんな歌にはおかまいなしに、せっせと食べ物を運びます。アリは食べ物の少なくなる冬を乗り切るために、夏のうちに食べ物を集めるのです。  キリギリスが歌を歌うのは、メスのキ […]

2015/02/19
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小説

『泣いた赤鬼が出来るまで』高橋真理(『こぶとりじいさん』)

ツイート  与兵衛はいらいらしていた。  なぜなら手桶にうつる自分のほっぺたにでっかいこぶが出来ているからだ。そしてそれを近所の子供にバカにされたのだ。  よーへーえ、よーへーえー、左のほっぺのこ―ぶーに、つまっているの […]

2015/02/19
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小説

『ご家老の気苦労』菊地フビオ(『目黒のさんま』)

ツイート  家老、田中三太夫は先程まで君主である赤井御門守(あかいごもんのかみ)の座していた場所に座る偉丈夫と対峙している。 「返答やいかに?」  君主、赤井御門守の叔父にあたるこの人物は、藩の筆頭家老の問いかけに答えな […]

2015/02/19
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小説

『となりの桜子さん』陰日向(『トイレの花子さん』)

ツイート  誰でも一度はお化けにまつわる学校の都市伝説や、怪談話を耳にしたことがあるだろう。  その中で最も有名なのが『トイレの花子さん』だ。  地域によって多少の違いはあるが、話の筋はというと。  学校にある三番目のト […]

2015/02/19
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小説

『凸凹仲間の新たな挑戦』春日あかね(『ブレーメンの町楽隊』)

ツイート  その街は、かつて、自動車産業が栄え、はるばる遠くから仕事を求めて、多くの人がやって来た。そして、やがて人々は家庭を築き、マイホームを建て、マイカーを所有し、夢を現実のものとしていった。欲しいものが何でも手に入 […]

2015/02/19
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小説

『ルンペル』田中りさこ(『ルンペルシュティルツヒェン』)

ツイート  沙織は暗い部屋の片隅にうずくまっていた。明かりをつけようにも、電気が止められているから、それも叶わない。窓の外にはしんしんと雪が降りつもり、隙間風が絶えず部屋に吹き込んでいる。  お腹の空いた沙織は、ランドセ […]

2015/02/19
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小説

『故郷』智子(『放浪記』林芙美子)

ツイート  「あなたの故郷の特徴を一つ取り上げ、それを紹介しなさい」  いつもならば、レポートなんてスラスラ書ける。レポートの方針を頭の中で立て、それを元に図書館で参考文献や論文を見つける。その情報を自然と頭の中で整理し […]

2015/02/19
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小説

『寝太郎と私』平井玉(『三年寝太郎』)

ツイート  寝太郎と初めて会ったのは、二年前に五反田のキオスクで働き始めた頃だった。あらゆるバイトが続かない私だったが、キオスクの仕事は案外肌に合った。客が品物を取った途端に全ての支払いとお釣りのパターンが頭に浮かんだし […]

2015/02/19
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小説

『人魚に恋した少年』小山遥(『人魚姫』)

ツイート  体が重い。手足が動かない。波が俺の頭の上を荒々しく通っていく。さっきまで王子の体を抱えていたはずなのに、いつの間にか引き離されてしまった。まずい。探さないと……。  ああ、でも……もう泳げない……。まぶたを下 […]

2015/02/19
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小説

『生贄は不要』広都悠里(『みにくいあひるの子』)

ツイート  一週間で中村亜里沙は学校へ来なくなった。わりと早かったな、思ったより根性なし。さあ、次はどうしようか。新しい面白いことを探さなきゃ。あたしはぼんやりと教室を見回し、なんとなく爪で机を叩いていた。かつかつかつ。 […]

2015/02/19
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小説

『恥の心』伊藤祥太(『恥』太宰治)

ツイート 十月十三日  突然のお手紙失礼いたします。私は水沢桜先生の大ファンです。  水沢先生の作品を初めて手に取ったのは、確か去年の今頃のことでした。とても寒い日だったことをよく覚えています。僕は受験参考書を買うために […]

2015/02/19
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