HOPPY HAPPY AWARD11月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品19作品です。
『はじまりの日』
朝宮馨
三十才の夏美は互いに好意を抱き始めていた高木に誘われ、初めて二人で居酒屋へ行く。「僕は白派」と高木はホッピーの白を注文し、それに合わせる夏美だが、黒派だった元彼との苦い思い出がよみがえる。恋人に左右されずに自分らしくありたいと願う夏美がとった行動とは……。
『HOPPEOPLE』
室市雅則
ホッピーを取り巻く人々の、ほんのひと時。
『ホッピーの店』
大田陽介
15年来の友人の珠希と健一。健一の「ホッピーが飲みたい」という言葉がきっかけでホッピーのある串焼き屋に入店。それぞれが恋愛や仕事等で悩みを抱えているが、気心の知れた仲間と飲む酒は楽しく、最後はつぶれる。しかし、そんな若い頃のような飲み方も悪くなく、どこかスッキリとして帰路につく。
『Hoppyman』
もりまりこ
ゴーヤの種を植えた。ちいさなベランダに。すくすくそだった。カンちゃんのゴーヤチャンプルーは育ての母のマチ子さんを思い出させてくれる味だった。カンちゃんに2度目にあった時も、かたわらにホッピーがあった。その理由は聞けないままわたしは何かを逃し続けているような気がしてならなかった。
『グラスを上げて』
間詰ちひろ
友人の紹介で付き合うことにあり、結婚を決めた光一と百合子。結婚の報告をするために、百合子の実家に訪問することになった。百合子の父に挨拶をしたところ、思いもよらない返事をされることになる。
『ボトルが空になるまで』
小野みふ
「恋の傷を癒しなよ」課長の言葉に後押しされて、横浜へ旅立ったミキ。軽くホッピーをのんで、横浜ランドマークタワーへ。そこで写真を撮ってもらった女と、翌朝ホテルの喫茶店で再会する。その晩、ジョッキ片手に、自分と深く向き合うミキと舞香。次第に、二人の絆は強まっていく。
『果てしないロマネスコ』
もりまりこ
繭は昔からずっと通っていたパスタ屋さん<ロマネスコ>のマスター阿尾雨さんに久しぶりに逢いに行く。はじめて会ったあの日に立ち戻るみたいに記憶のページがゆっくりめくられていく。恋人幻が死んでから繭はホッピーを呑めなくなっていた。そんな繭の気持ちに阿尾雨さんは気づいていた。
『願いのカクテル』
微塵粉
いつものように、居酒屋で一人酒をする初老の男。陽気なつまみ達と語らうその時間は、彼の人生における唯一の癒しであった。彼の隣に新たな客がやってきて、出会いと別れが始まった。
『気付けばここにも。』
藤井あやめ
Book Shortsのサイト見ていたら、〈Hoppy Hoppy AWARD 〉なるものを募集していた。興味はあるが、私は肝心のホッピーを知らない。まずは飲んでみる事から始まった、私の〈Hoppy Hoppy AWARD 〉は、もう一つの物語の始まりでもあった。