○選んだ作品:
『吾輩は坊ちゃんである』太郎吉野(『夏目漱石『吾輩は猫である』『坊ちゃん』『こゝろ』『三四郎』)
○選んだ理由:
かの文豪の作品群をちょいちょい啄んでは節操なく合体させておきながら、それなりに辻褄があってすんなり読めてしまう。気の利いた小咄みたいに楽しめました。
ブックショートアワード2015年11月期の優秀賞受賞者の皆様に、ご自分以外の作品のなかで最も面白いと思った作品をアンケートで答えていただきしました!
(順不同 / ご返信いただいた方のみ記載)
○選んだ作品:
○選んだ理由:
かの文豪の作品群をちょいちょい啄んでは節操なく合体させておきながら、それなりに辻褄があってすんなり読めてしまう。気の利いた小咄みたいに楽しめました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
結末の後、僧はさびしく笑って何と言うだろうかと考えました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
パニック映画のような世界観の中にあって、それを強固に構築する仔細な描写や設定が素晴らしかったです。激痛に見舞われた男が「母さん」と呟くシーンが印象的でした。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
戦争、侵略、奪われる命や人間の残虐さがサルスベリの言葉でもって伝える事で、より現実味を帯びていました。ショートストーリーでありながら映画のようなドラマがあり、サルスベリが伝えたかった事を考えさせられます。人間ではない第三者の視点から描かれているのが、読み手側が人間をより客観的に捉えることができて面白かったです。どこの生まれでも、人は人でそれ以上でもそれ以下でもないのだな、と思いました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
まるで叙景詩を聞いているか、映画を観ているような文章だと思いました。詳細が明確に語られるのではなく、読み進めるうちにこちらの胸に染み透ってくるのが本当に美しくて、息を詰めて読みました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
落語調の文体がとても読みやすく、米朝先生の声が脳裏に浮かびました。スラップスティック的な展開ののちに、主人公は原作と同じく、夢現つ的な異次元に消え去るわけですが、男は結局おっぱいの上で踊っておるのにすぎないのかもしれません。そんなことをふと思いました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
可愛さと物悲しさが、個人的に好みでした。すこし早足な部分もありましたので、もう少し装飾過多にするなどして、綺麗さを増したら、より私好みになるなと。そういった個人的な部分が多々ありまして、今回の中では桜吹雪様の『灯火』を押させていただきました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
昔の祭はわくわくします。期待はもちろんちょっとした不気味さも。そんな空気がひしひしと感じられました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
『リア王』のエッセンスを散りばめた中で、コーディーリアに対して(恋人同士の会話にも聞こえてきそうな)弱気な姿勢を見せるリア王がユニークで面白く、あっという間に読めてしまいました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
講談師のようなリズムある語り口調に、ユーモアのある冗長さを混ぜ込んでを、ストーリーもさることながら、読むこと自体が楽しくなる作品、「声に出して読みたい作品」だと思いました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
素直な思いを、さりげなく名作に重ねて読みやすい文体で書かれている。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
女性の胎内に桃、というカフカなみにシュールな設定にまずビビりました。さらに、世界観はとてもシュールでファンタジックなのに、妊婦さん同士の関係性や出産シーンのディテールがとてもリアルに描写されていて、全体に不思議でなにやら「ほんわか」としたな空気を醸し出しています。ぶっ飛びました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
心温まる、ほっとできるお話です。身近な出来事を書いたエッセーのようにうまくまとまっていると思いました。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
小説は文字でしかないということや〈読む行為〉を信用した書き方をしていて、とても楽しかった。メキシコの諺という、あまり馴染みのない、というかほとんどみんな知らないものを元作品に選んで、たとえば「桃太郎」などの有名作品を扱ったときに共有される前情報を利用するということを排除しているところ、かっこいい。
○選んだ作品:
○選んだ理由:
本当にある昔話のような作品です。ストーリも文章も、こうもあっさり、すっきり書ける力量に感心しました。