メニュー

  • トップ
  • 受賞一覧
  • 映画化一覧
  • 作家インタビュー
  • 公募中プロジェクト
  • 創作プロジェクト
  • お問い合わせ
               国際短編映画祭につながる「ショートフィルムの原案」公募・創作プロジェクト 奇想天外短編映画 BOOK SHORTS

\ フォローしよう! /

  • トップ
  • 受賞一覧
  • 映画化一覧
  • 作家インタビュー
  • 公募中プロジェクト
  • 創作プロジェクト
  • お問い合わせ

第3回ブックショートアワード最終候補者他薦アンケート

第3回ブックショートアワードの最終候補者の皆様に、ご自分以外の作品のなかで最も面白いと思った作品をアンケートで答えていただきしました!
(順不同 / ご返信いただいた方のみ記載)

■推薦者:結城紫雄 / 『REBOOTER / リブーター』(『変身』カフカ)

○選んだ作品:

『ケテルの羅針盤』柘榴木昴(『裸の王様』)



○選んだ理由
:
本作で描かれるのは加速度的な変化である。露出という性癖は残念ながら一般的なものではない。がそれは読み手も同じであるからして、本作には、“露出の素人”である「読者」と「書き手」のより密な共同作業が求められる――はずだが、さらなる露出狂の登場で我々読者は我々は早々に置いてけぼりを食らうのだ。外界との断絶、またはそれ自体に意義を見出していた主人公が、ライバルとの邂逅で大きく心を動かされるさまは、原作で描かれた人間のエゴや欺瞞と通じている。crown(冠)を意味する「ケテル(kether)」だが、本作の主人公は語源を同じくするclown(道化師)のほうがよりお似合いなのかもしれない。

■推薦者:末永政和 / 『玉梓』(織田作之助『雪の夜』)

○選んだ作品:

『シンデレラの姉』吉田舞(『シンデレラ』)



○選んだ理由
:
きれいにまとまった作品ではなく、強く余韻の残る作品だった。最後の一文、これに尽きると思います。これを最後に持って来れるのはすごいなぁと。

■推薦者:室市雅則 / 『王様の選択』(『裸の王様』) 『粗忽なふたり』(古典落語『粗忽長屋』)

○選んだ作品:

『玉梓』末永政和(織田作之助『雪の夜』)



○選んだ理由
:
消えたもの、消えゆくものと生まれたもの、生まれゆくものの対比が情景が浮かぶようでした。そして、「それでも生きていく」男の姿が大仰でなく、静謐さを感じました。

■推薦者:日吉仔郎 / 『sleeping movie』(『眠れる森の美女』)

○選んだ作品:

『滅びない布の話』入江巽(ゴーゴリ『外套』)



○選んだ理由
:
独特の文体ながら、リズムがよくて、声に出して読みたくなりました。スーツのことはぜんぜんわからないし、おしゃれでもないので、洋服関連の用語は半分もわからないのですが、それでも主人公のスーツへのこだわりがぐいぐいと伝わってきて、圧倒されます。主人公はこのあと幽霊になるのでしょうか。大阪なのになぜか若干ロシアの香りがするところも、見事だと思います。

■推薦者:吉田舞 / 『シンデレラの姉』(『シンデレラ』)

○選んだ作品:

『REBOOTER / リブーター』結城紫雄(『変身』カフカ)



○選んだ理由
:
ある日突然、仮面ライターに変身してしまったニートのカズト。その変身をきっかけに、妹と再び会話を交わすことになったり働き始めたりと、良い変化が訪れるが……。(それまでクスクス笑いながら読んでいただけに)ラストの展開に「……!」と衝撃を受けました。軽やかでユーモアのある文体と、ラスト一行の「救いのなさ」のギャップが印象的です。また、モチーフであるカフカの『変身』の活かし方がとても上手です。家族が働き始める『変身』とは逆に、それまで世話をされてきた主人公が働き始めるという設定の面白さが、すでに「二次創作の甲斐」を存分に発揮していると思います。

■推薦者:菊武加庫 / 『川せみになる』(『よだかの星』)

○選んだ作品:

『玉梓』末永政和(織田作之助『雪の夜』)



○選んだ理由
:
織田作之助の小説に続きを書く勇気、そしてそれが味わい深い一編になっているところに驚きました。女に貢いで落ちぶれた男とその男を選んだ女。二人の五年間を空虚だと言いながら「死によって」と呟く男の姿は切ない。カラスウリの花のようなかまきりの孵化が幻想的です。落ちぶれても、死が分かつ日がきても出会って生きるしかない二人が美しい。題名も万葉の歌のようで好きです。

■推薦者:柘榴木昴 / 『ケテルの羅針盤』(『裸の王様』)

○選んだ作品:

『王様の選択』室市雅則(『裸の王様』)



○選んだ理由
:
最終候補に残った作品は、どれも死や不幸がテーマの重たい感じの作風でしたが、「王様の選択」はコミカルで前向きな作品でした。最後の子供の一言でブラックユーモア化するのかな、とドキドキしながら読みましたが、お祭りエンドのような楽しいオチで、読後感も爽やかでした。これはこれで寓話として成立している気がします。短編に求められるわかりやすさと読みやすさ、二次創作のお手本のような元の話の展開をそのままに、核だけアレンジして全く違う印象に仕上がるセンスは素敵だなあと思いました。

■推薦者:柿沼雅美 / 『VR恋愛住宅』(『恋愛曲線』)

○選んだ作品:

『REBOOTER / リブーター』結城紫雄(『変身』カフカ)



○選んだ理由
:
とてもリズム感のある作品で読んでいて素直に楽しかったです。性別で語るのはよくないのかもしれませんが、なかなか私では書かないセリフと心情描写がとても参考になりました。子供が好きそうな描き方でありながら大人が心の中に潜ませているものを表現していて、気に入りました。

■推薦者:木江恭 / 『こびとカウント』(『白雪姫』)『そらの瑕』(『王子と乞食』)

○選んだ作品:

『粗忽なふたり』室市雅則(古典落語『粗忽長屋』)



○選んだ理由
:
映像で見たいなあ、と一番思ったのがこの作品でした。真夏のじりじりとした暑さ、主人公の延々と続く苛立ち、筋書きのすっとぼけた強引さ、どれも映像になったらさらにパワーアップして、きっととんでもなくブラックな、見る人を振り回すだけ振り回して放り出すようなショートフィルムになることでしょう。見てみたいし、自分だったらこんな風に演出したい、とワクワクさせてくれる作品でした。

*第3回ブックショートアワード最終候補一覧

Copyright © Pacific Voice Inc. All Rights Reserved.
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー