小説

『なんとなく楽しい日』真銅ひろし(『浦島太郎』)

 紙を元通りにして箱にしまい、もう一度土に埋める。
「場所決めてる?まだなら俺のオススメがあるんだけど、そこに行かない?」
「いいね、そうしよう。天才作家から教師になったいきさつも知りたいし。」
「やめてくれよ。覚えてないんだから。」
 二人はクスクスと笑う。
「じゃあ荷物持ってくるから待ってて。」
「うん。」
 そう言ってまさ君は職員室に戻って行った。
「・・・。」
 思い付きで来てみた小学校だけど、なかなか面白い事が起こった。旧友にも会えたし、過去の自分にはガツンと怒られた気がするし・・・。

 今日はなんとなく楽しい日だ。

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