小説

『はじめのモモ』みしまる湟耳(『桃太郎』)

ツギクルバナー

モモは
桃から産まれて
いー匂い

あまいやさしい匂いにつられ

においをかぎたいもの
羽毛にその匂いをうつしたいもの
ほおずりをしたいもの
もっと鼻をちかづけたいもの

あつまった
あつまった

あつまったものの中には

ちょっとかんでみたいもの
なめるだけでいいというもの
口の中に入れたいといいだすもの

蜜をすいたいもの
たまごをうみつけたいもの

きけんなものもたくさんたくさん
あつまった
あつまった

おじいとおばあは
モモの汗から
アメをつくり

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