小説

『はじめのモモ』みしまる湟耳(『桃太郎』)

モモをかくしても匂いでわかる
奥にとじこめてしまうのもかわいそう
だがかくしたっても、香りがそこに居る事をバラしてしまう

かくれたモモの居場所にも
やっぱりまた
たくさんたくさん

あつまった

あつまったモノたちに
おじいとおばあの家は
壁を壊され、屋根にはアナをあけられ

欲しがるものたちからモモをまもるため
おじいとおばあはとうとう

お逃げ、と

モモを旅立たせた

おばあのくれた団子をもって
モモは道々かんがえていた

おばあの声がよく聞こえなかった

(オニ……?)

そう言っていたような気がしてた

モモは旅のミチ

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