9月期優秀作品発表
全文公開中
SOLARE AWARD8月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品13作品です。
『つながりの街』
ウダ・タマキ
男友達と二人で旅行するはずだったが、友達のドタキャンで男一人旅となってしまった大和。寂しい一人旅を逆に楽しもうと、地元の人たちにお勧めの場所を聞き、そこを巡ることにした。しかし、その旅先には初恋であり、初めて失恋を体験した幼馴染みの璃子もやって来ていたのだった。
『宝の街』
高橋百合子
亡くなった祖父の口癖だった、「銀座は宝の街」の意味を探すために、一輝は銀座の街を一人歩き始める。祖父に昔連れられて来た画廊の前で、大切なものを落として途方に暮れる金髪のフランス人・マティスに、一輝は出会う。
『ドレスダウンホテル』
太田純平
とある地方都市に、浴衣のレンタルサービスを行っているホテルがあった。先に断っておくが、俺はホテルマンではない。薄茶色のポロシャツを着て客室を掃除する、時給千円の冴えない清掃員だ。にもかかわらず、人手不足を理由にホテルマンとして立たされた。そろそろバックれようかと思う。
『ウルサイところ』
室市雅則
新卒でホテル運営会社に入社した男の配属先は『ウルサイホテル』と名付けられたホテルであった。そこは、赤ん坊や子供がいくら騒いでも構わない場所であり、それを承知であるお客さんのみが宿泊するホテルであった。そこに初めて子連れでない老父婦が宿泊客としてやって来た。
『ホテル・ソスペーゾ』
岡田麻央
一泊飯付き分の料金がただになるホテルがある。その噂を聞いてホテルに泊まった男は、噂通りただで泊まり飯を喰う。翌日、飯の際に紹介された商店街へ行った男は、そこで人々の温かさに触れる。感動した男は自らも一泊分保留にして、泊まりにくる誰かにこの地を楽しんで欲しいと思うのだった。
『ボレロ』
京
ひとり、焼鳥屋のカウンターで思い悩む主人公・山下潤。些細なことに心奪われて落ち込む山下は、半ばヤケに冒険的な出会いを求めて酒をあおる。そこで出会った神倉。神倉もまた、彼女の浮気についての悩みを打ち上げるが…
『約束の入り江』
三雪春惣
本州から離れた島で暮らす明と咲。子供の頃に別れた二人は島の入り江で再会すると約束する。高校生になり、咲が再会出来ると思った途端、明から島に帰れないと知らせが来る。失意の中、何故か入江に向かった咲だがそこには明の姿が。入り江で彼と過ごした後、咲が知らなかった明の秘密が明かされる。
『ホテルAI』
渡辺鷹志
俺は連休直前に出張を命令された。ようやく取れたホテルの名は「ホテルAI」。AIという名前から、近未来を体験できるような最新式のホテルという期待を抱いていたが、実際は全く違っていた。俺はホテルの超個性的なオーナーの破天荒な言動と行動に振り回されることに……
『閃光』
文月めぐ
渋々合コンに参加した桃が出会ったのは「自分の名前が嫌い」だという夏希。桃自身も名前が嫌いで、悩んでいた。そのことを夏希に見破られ、家族や友人との関係も相談する。「人間関係は自分で選んでいい」と割り切る夏希に徐々に惹かれる桃。一方の夏希も桃のおかげで自分の名前を好きになっていく。