＼ フォローしよう！ ／
第10回ブックショートアワード 12月期優秀作品
『after revenge』
葵一樹
（『七ひきの子ヤギ』）
母ヤギの機転で井戸に沈められた狼は復讐を誓い、準備を整えてリベンジに向かう。しかし七ひきの子ヤギは狼の再来に備えて家中にトラップを仕込んでいた。兄弟とお客として招かれていた赤ずきんは力を合わせて戦い、二度と狼が襲ってこないように撃退するが母との約束を破ったことでしかられてしまう。
『泥を塗る』
青田雪生
（『天岩戸神話』）
ついに堪忍袋の緒がブツンと切れ、元凶である上司の頭に労働基準法のパンフレットを叩きつけて会社を辞めた。しかし、退職後も会社の嫌な思い出が頭を離れず、振り込まれた退職金で衝動的に旅に出る。
『涅色に染まる』
環花奈江
（『ロミオとジュリエット』）
守門のお山に雪が三度降ると、里にも雪の季節がやってくる。まっ白な冬が訪れると、和尚は亡くなった二人の若者のことを思い出す。彼らは二年前、二つの町が抱える憎しみによって、間を引き裂かれ、心中事件を起こしたのだが、実は二人を殺めたのは和尚だったのだ。
『白雪姫解放戦線』
蔵原先
（『白雪姫』）
お妃に毒リンゴを食べさせられた白雪姫は死んでいなかった。目覚める直前、こびと達の自分を蔑む会話を聞く。自分の意志で目覚めた白雪姫は、こびとを殴り、脅す。そしてこびとを兵士として育て、王様とお妃に復讐を誓う。
『曇天』
竜希萬造寺
（『少年たち』）
僕は本当にずるい人間だと思う。彼女と僕の関係は「曇天」。いつか雲間から日が差し込むのを待っている。いや、雨でもいい気がする。彼女の息子の宗太は10歳だ。「まだ子供、、、、、なのだろうか？」
『夢で会えたら』
京
（『夢買い長者』）
毎日のように同じ夢を見る男が見つけたのは、とあるスタートアップが行う「夢を買う」実証実験。脳内に溜まった＂夢デブリ＂を吸い出して、探しているデータと合致するものがあれば高額で買い取ってくれると言うが…