地響きのような声が響く。しかし、それは四朗にしか聞こえないのか村人たちは気がついていない。
これは、山の神からの試練なのかもしれない。
喜ぶ人々を尻目に、四朗は空を見上げた。
この恵みの雨がこのまま降り続ければ、恵みに雨は災いの雨になってしまうかもしれない。
そうなれば、今度は竜神に生贄を出すとか、人柱を出すなど言い出すかもしれない。
山の神は、いつもそばにいる。
空を仰ぎながら、四朗はまだ起こっていないけれど、近い将来起こるかもしれない何かを感じて拳を握った。
神に会えたことは、四朗にとってどんな未来になるのか。
それをどう捉えるのかは四朗次第なのだ。