コピーたちに身体が白光に包まれる。
画面が一瞬ホワイトアウトした。
わたしが絶句していると、やがて、競技場の映像が復活する。
そこにはだれもいなかった。
エズラもツインも姿を消していたのだ。
あの日のあの時間、ワイトシティを襲った複数の白雷は、何百体ものツインを喪失させた。ワイトシティの天候を担当するエンジニアがマイ・ダイブにのめりこんだ。エンジニアは自分のツインを脅かすつもりで、同時多発的に落雷を発生させようとし、制御しきれず大惨事になった。分身の行方不明者が五百名以上。
兄さんもてんてこまいのようである。
騒動から一か月が過ぎた。
朝起きて、ラップトップを開くと、わたし宛のメールが一通届いていることに気づく。
差出人のメールアドレスは見たことない。
題名には、『わたしからわたしへ』。
なんとなく差出人がわかった。ツインからだろう。
わたしは指をマウスに置く。