小説

『とある学生の憂鬱』睦月紗江(『鶴の恩返し』)

大変困ったことになった、というか現在進行形で困っている。
どれくらい困っているかというと、試験の直前になって自分の必死にした勉強範囲と実際のテスト範囲がずれていたことがわかった時くらい困っている。
いやまあこの場合は諦めるほかないのだろうけど。
なお実体験である。その時の点数はお察しだ。
そんな私がいま現在何に困っているかというとどうも人につけられているようなのだ。
いわゆるストーカーというやつである。
まだ確定してるわけではないので断言はできない。
しかし最近明らかに人の気配を感じるというか、例えば帰り道視線を感じて振り返っても誰もいないとか、家の前に人の気配がしてインターホンの画面越しにこっそり見ても怪しい人がいないとか、そういうことが多いのだ。
ストーカー行為の迷惑度合いをテストと一緒にするのがおかしいのかもしれないがどちらも私にとっては一大事である。
友人に相談したところ
「先生が次はテスト範囲間違えないように見張ってるんじゃねーの」
と笑いながら言われた。
もし本当にそうなら軽いホラーである。
自分の担任に常に見張られて勉強はトラウマにしかならない。怖すぎる。
しかしてもちろんそんなことはあり得るわけもなく。
このままでは先生ではなくてもメンタルを病んでしまう。
冷静に考えて人の気配を感じる状況で落ち着けるはずがなく最近は体調不良気味だ。
しかし原因を突き止めるために家の前に監視カメラを設置したくともそもそも監視カメラを買うお金などない。

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