小説

『とある学生の憂鬱』睦月紗江(『鶴の恩返し』)

 
そこで私は相談してみることにした。数少ない友人は当てにならないのでSNSで。
まあ相談というよりただ最近の愚痴を呟いていくだけなのだが、もしかしたらいい方法が湧いてくるかもしれない。
不特定多数の人の目に触れる分身バレの可能性もあるので、詳しい事情は伏せつつ気配を感じることが多いので監視カメラを使わずに気配の行方を見つける方法が欲しい、と書き投稿ボタンを押す。
程なくして幾つかのリプライがつく。
現実には友人の数が少なくても、ネット上には多くいるからこういう時にとても便利だ。
リプライの内容は
・親に素直に相談する
・携帯を郵便受けに忍ばせてカメラ機能で録画する
・てかはよ警察呼べよ
・自意識過剰乙www
などがメインであった。
ちなみに断じてただの自意識過剰ではないとここで言わしていただく。
なぜなら近頃は気配だけでなく、郵便受けにテストの範囲の紙と対策用ノートが入れられていたり、なぜか知らぬ間に身の回りのものが新しくなっていたりなどとおかしなことが増えてきているのだ。
普通に怖いし気持ち悪い。
しかし過保護な親に相談すれば学校に行くのを止められる可能性もあるし、同じ理由で警察沙汰も避けたい。
携帯を外の郵便受けに置くことは万が一盗まれた場合のリスクが高すぎるのでボツ。
やはりそう簡単にはいかないか、と落胆しているとメッセージが届いた。
ただのリプライとは違い個人的なやり取りをするためのものだ。
相手は数少ないリアルの友人の一人だった。
『解決策ではないけどもしかしたら関係あるかもしれないことを知っている。もし知りたいのなら今度会わないか』
解決策ではないのかよ、とも思ったが関係あることとは気になる。
とりあえず日時を決めて会うことにした。

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