小説

『赤穂浪士にお邪魔 二十人の愉快な仲間達』洗い熊Q【「20」にまつわる物語】(『赤穂浪士』『ぶんぶく茶釜』『笠地蔵』)

 真っ青になる忠左衛門達。
 兎にも角にもぶんぶく赤穂浪士一行。無事に(?)屋敷内へと侵入を果たしたのです。

 

 屋内へと踏み入った赤穂浪士に愉快過ぎる仲間一行。
 屋敷内は暗く、そして静まり返っていました。
「えっと……何するんだっけ?」と呟くぶんぶく。
「……吉良上野介を捜すんですよ! 隠れている彼を見つけて!」と半ば切れ気味の忠左衛門。
「おっ、それってアレじゃねぇ? 年中何とか中~て一時期流行ったやつ?」とゴン狐。
「ああ! 有名なアレ? じゃあ私達が追う側って感じだ!」とぶんぶく。
「そうだよ、そうだよ。そしたら俺達はこれを付けなくちゃな~!」
 そう言って二匹はビシッとしたサングラスを掛けました。
 無表情で彷徨い始める二匹。
 しかし暗中で色眼鏡。フラフラしながらガツン、ガツンと柱に激突を繰り返す二匹です。
「……そういう事ではないんですよ……」
 忠左衛門、もう頭痛がして目眩を起こしてます。
「じゃあ、どしたらよいのよ?」
「……だから”吉良は何処だ! 吉良上野介は何処だー!”てな、鬼気迫る感じで探し廻る……」
「ああ、なるへそ」
 忠左衛門に教わった通り、二匹は交互に声上げて捜索を始めます。
「吉良は何処だー!」
「きらはどこだー!」
「きみのなはー!」
「しらないさ~!」
「きのつぎはー!」
「けのまえさ~!」
「くもあればー!」
「こもあるさ~!」
「かもわすれずに~~!」
 どっと笑い合います、ゴン狐にぶんぶく。

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