小説

『ゆみこと柱神さま』はやくもよいち(『天道さん金の鎖』)

一週間後、ママと一緒に家へ帰ったゆみこは、パパに頼んで柱神さまの手ぬぐいをかべにかけてもらいました。
それから毎日、寝る前に手を合わせて拝んでいます。

冬が近づいたある夜、ゆみこは一人でおるすばんをすることになりました。
予定より早く赤ちゃんが生まれそうになって、パパがママを車で病院へ連れて行くことになったからです。

「だいじょうぶ。戸じまりはちゃんとするから」

ゆみこは心配する二人に、Vサインを出しました。

「それに一人じゃないもの」

パジャマに着替えてベッドに入る前に、柱神さまに手を合わせます。

「どうか弟が無事に生まれますように」

神さまの面はいつものように、にっこりと笑っていました。

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