小説

『はじめのモモ』みしまる湟耳(『桃太郎』)

たべつくした
マンゾクした

もう、モモはいなくなった

コオニたちはサミシクなった
コオニたちはツマラナくなった

だいすきなモモは

もうタベタ

もうナクナッタ
会えナクナッタ

旅をついていくことも
遠くで匂いをかぐことも

もうナンにもデキナク
なってしまった

ツマラナイネ
コオニが言った

サミシイネ
コオニが言った

黒砂糖達は動かなくなって
どんどんどんどん
海にとけた

コオニたちは
またモモにアイタカッタ

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