あの日と同じように、とても良く晴れていました。空はどこまでも青く、雲ひとつありませんでした。
ぼくはその景色を見ながら、ふと、彼女のことを考えました。妄想です。
朝、起きると、彼女が笑っています。どうしたの、と聞くと、ぼくが、眠りながら笑っていた、と言うのです。
幸せなのね、と、彼女が言います。ぼくは、幸せだよ、と答えます。ぼくは、どうか、彼女も幸せでありますように、と思います。祈るような気持ちで、強く、強く。
何か特別な力でこの夢が終わらないことを願いながら、ぼくは一口、砂糖とミルクでジャリジャリのコーヒーを飲みました。
あのとき、ぼくが深夜の屋上で見たものは、一つ一つの優しい光が無数に散りばめられた、満天の星空のような、美しい地上の光景でした。