祈祷師だろか?
まさか、こんなところに、な。
いや、こんな時代に、かな。
そんなこと言われたらよ。
祈祷師だって困るだろうさ、きっとよ。
随分、肩もつんだだなぁ。
肩もつ?
ああ、そうだろうさ、呼んだ手前だろ。
カッパのお前に、言われたくないな。
カッパで悪かったな。
まぁ、俺もカッパだけど、よ、ハハハハ。
ここにあるのは、湖畔の祠だ。
吊り下げられた、しめ縄に紙垂。
これ目にしていると。
こんなやり取りが、聞こえてくる。
雨乞い、よ。
雨乞い?
そうよ、雨乞い、ジュジュツとか、でよ。
ジュジュツとか、だって?
ああそう、よ。
呪術、こういう字、書くんだぞ。
それくらい、分かってるさ。
決まってらーの、コンコンチキよ!
コンコンキチ? 江戸だな、出が、よ。
別にいいけど、おれに向かってよ。
コンコンチキは、ないべさ。
アホなキツネづらのお前に、ピッタシよ。