
ピアニストを目指していたあさみは挫折し就職先でも馴染めず、全てを捨てて日本で1番深い秋田の田沢湖を目指して片道だけの旅行をしていた。目的地はふたつ。その1つ目は”語り部”のお婆さんがいる民宿。もうひとつの目的地に辿り着けば、もう帰ることはないと決意していた。
山と城しかない田舎の警察署に、老女が自身の罪を自首しに来た。「人の命を奪ってしまいました」という彼女は、民宿で妊婦を殺してしまった経緯を話す。彼女の供述を聞いた伊藤は、何が真実であるのか分からなくなっていく。
母が話す京都でのエキストラ体験に憧れて、私は京都の大学に進学した。でも思い描いていた理想ほど、現実はうまくいかない。
残虐なタヌキをウサギが成敗する民話『カチカチ山』が人間による実話だったとしたら、その子孫はどんな生き方をしているのかを描いています。タヌキは本当に極悪非道だったのか、ウサギは正義のヒーローとして語り継がれているのか、子孫たちの視点を通して感じていただければ幸いです。