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『ホッピー!イネッピー!ウッパッピー!De ハッピー!』広瀬厚氏

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 この日酒井がイネサワ市まで足を運び、ふたり初めて実際に対面した。ふたりは市役所のそばにある喫茶店に入った。一日中モーニングの店である。モーニングとはモーニングサービスの略で、まあ簡単に言うとお得なセットメニューが朝限定で注文できる。それが朝だけでなく一日中であるから一日中モーニングと。それはすでにモーニングではないのじゃないか、との声が聞こえてきそうであるけれど、細かいことは抜きにして兎も角もふたりはそう言った店に入った。メニューを見て酒井が言う。
「びっくりするぐらい安いセットメニューがたくさんありますね。東京では考えられない」
「そうですか。この地方ではこういった店が結構あります。わたしは普通にコーヒーでAセットにしようかな」
「じやあ僕も同じのにします。ビールもおいてますね」
「ホッピーもあれば嬉しいんだけどね」と課長、ニヤリ笑って酒井を見る。
「ええ、まあそのうちこの地方にも根づいて」と酒井、句を途中で切ってニコリ返す。
「それでどのような動画を?」
「イネサワ市はフンドシ祭りが有名ですよね。イネッピーもフンドシ姿でありますし。そこで………

 晴れた空の下、ホッピーの瓶を模倣しそれにフンドシをしめたキャラクターとイネッピーを先頭に祭りで見られるフンドシ男達が、ワッショイワッショイ威勢よく町を練り歩く。ワッショイワッショイの合間合間にホッピー!イネッピー!ハッピー!のかけ声をテンポよく混ぜこむ。沿道の人々は皆ニコニコ笑ってそれを見ている。そこに突然……
 昔パンツ一丁で、「こんなの関連ない!こんなの関連ない!ヘイッ、ウッパッピー!」と拳を地べたに叩きつけるようにしながら声にして、一世を風靡した大島ワルオと言うお笑いタレントがいる。彼がパンツでなくしてフンドシ一丁でウィ〜〜〜とかなんとか言いながら現れる。
 突然目の前に姿を現した大島に驚き、ホッピー、イネッピー、を先頭にしたフンドシ連は歩みをとめ茫然と立ちすくむ。そんなフンドシ連を指さし大島は「お、ま、え、ら〜〜〜」と前おきしてから、
「こんなの関連ない!こんなの関連ない!ヘイッ、ウッパッピー!」と激しくやる。時が止まったかのように大島を除く皆固まったままにある。と、ひとりのフンドシ男が、
「いや関連あるよ」
「そうさ関連してるさ」
「そうだそうだ関連ないなんてことはない」
「おまえだってフンドシ姿じゃないか。それにウッパッピーって今言ったじゃないか。ッピーならばホッピー!イネッピー!ウッパッピー!でハッピー!だ」
「そうだ」「そうだそうだ」「そうだそうだそうだ………
 次から次へとフンドシ連は声をあげ、場が次第に熱気につつまれていく。
「ウィ〜〜〜」と、ひとり怪訝な顔をする大島の前にホッピーとイネッピーが歩みより手をさしだす。大島の表情がゆるむ。
「だね〜」と言って大島は、ホッピーとイネッピーのさしだした手に自分の両手をさしだし、皆で仲良くにぎりあう。
 新たに大島を加えてフンドシ連はふたたび町を練り歩き始める。ワッショイワッショイの合間合間にホッピー!イネッピー!ウッパッピー!ハッピー!とかけ声が町に響きわたる。そしてナレーションがはいる。

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