HOPPY HAPPY AWARD12月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品34作品です。
『奇妙な出会い』
坂本霞
エクアドルの首都であるキト市は、標高2,850mの位置にあり、富士山に准(なぞら)えると7合目半の高さに当たる。空気が薄く、昼間から飲んでいると、アルコールの廻りがいつもより早いような気がした。何故、そんな時間から飲んでいたかと言えば、仕事が午前中で終わり、午後からは観光に出掛けていたからだった。
『薄くて苦い』
竹原達裕
ビールは苦くて嫌いだ。子供っぽいと思われるかもしれないけれど嫌いなものは嫌いだ。でも彼はいつも美味しそうにビールを飲む。だから私はちょっと頑張ってホッピーを飲む。私の恋に似てる味がした。
『かえるの合唱』
星大地
幼少時代の稲作を通し、家族や親戚の様子を描くエッセイである。小学2年の私は今年も田植えが待ちきれず、わくわくしていた。当日はいとこたちと田植えの手伝いをする。だがその稲作は永遠に続くものではなく、祖父の脳梗塞を機にやめ、今では地元の小学生が稲作体験にうちの田んぼを使っている。
『ホピ友との出会い』
しげ
2007年3月 SNSコミニュティに、 ホッピー&ハッピー会が立ち上がった! 2007年7月7日に初のオフ会を開催、その後さまざまなオフ会を開催、北は岩手から西は北九州からメンバーが集まった! 2011年3月の東北地方太平洋沖地震 の影響も有りオフ会を自粛となりました。しかしホピ友は今でも繋がっている。
『たんぽぽ』
義若ユウスケ
たんぽぽが咲いたからもう春だ。雲雀がちゅんちゅら鳴いている。エイスケは尼崎の生まれで、神戸の百貨店で働いている。ガールフレンドのココちゃんは超キュート。人生いろんなことが起こるけど、ココちゃんと一緒にいられればエイスケは幸せ。
『ハッピーパワー』
いわもとゆうき
冬の午後三時過ぎ、わたしは季節外れの風にふと、かつての町の中心地だった場所へと出掛ける。その場所はもう、大きな建物は解体されて風景も一変していた。これまで隠れて見えなかった裏通りの居酒屋を目にしたわたしは、その瞬間から父のさまざまな記憶がよみがえってゆく。
『ルパンの珈琲』
サクラギコウ
駅前商店街の入り口にルパンというカフェがある。半地下にあるため、明かりとりとして作られた窓から通る人の足がよく見える。商店街はほとんどの店が水曜日が休みだ。ある水曜日の早朝、商店街の宝石店に泥棒が入る。その日ルパンの店主は店で作業をしていて、宝石店の定員A子の足を見た。それを隠し続けるのだが・・・