小説

『吾輩たちは猫である』洗い熊Q(『吾輩は猫である』)

 これはもう個人的な恣意があったとしか言えない。恨みかただの茶目っ気か。とにかく意志があっても大した理由なんてなかろうという事だ。

 ――では誰がこんな事をしたのか?

 それも考えるだけ無駄かも知れない。超常的な力の持ち主だとしか言えない。
 あれだけの猫達を集め、上空から落として、無事に着地させるなんて芸当は神としか言いようがない。
 もし知った所で、何か意味があるようには思えなくなっていた。

 ――何故、猫達を降らした?

 答えは出ていない。だが理解は出来たような気がした。
 それはどんな形であれ、あの日に落ちてきた猫達に脚光が集まったからだ。
 ただ処分という結末を向かえる命達に、少なからずも人々の目が向かったのは事実。たった一人の男には間違いなくそれは伝わったのは間違いない。
 何一つ証明は出来ない考察だが、一つだけこの現象が意志があって行われたと言える事実はある。
 それは猫が降った日。

 二月二十二日――“いいネコ”の日。それだけが真実だ。

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