小説

『女子アナとメンへラ』ロザリンド理沙(『ジキルとハイド』)

3.2.1
 宮田ディレクターの声がする。大量の男たちとなった私は、その掛け声に導かれるように一斉に歩き出し、ドアの方に向かった。それぞれ、何か、私でないものに情熱を燃やしながら。

 

 気をつけて飲みなさい。
 そう書かれた説明書を、一体の男がふみつけて行く。

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