「ひょっとすると、月の裏側にコンビニがあるかも」
「お金持ってきてないよ」
「もしくは宇宙の果てまで目指してみるとか」
「それ、絶対に途中で死ぬよ。餓死」
四人はかしましく、宇宙でも変わらず好き勝手物を言う。
ところで、ジャックの失恋通知は月で途切れてはいなかった。
もっと長く続いていて、きっとあれは宇宙の果てに突き刺さっているのだと思う。
けれど私たちはそれを確かめはしない。もう十分満足したし、何よりお腹がすいている。
私たちはこれから、新しく恋をしなければならないし、たくさん遊ばなければならない。
青い時間は短く、大忙しなのだ。
宇宙の奥で、「天窓から差す光を浴びて静かに書を嗜むような女性」が瞬いた。