小説

『赤穂浪士にお邪魔 二十人の愉快な仲間達』洗い熊Q【「20」にまつわる物語】(『赤穂浪士』『ぶんぶく茶釜』『笠地蔵』)

「簡単に言えば私の飲み友達ね。ノリの良い奴らなのよ」
 雪の中、集合した仲間達。ぶんぶく同様の面妖な面子が並んでいます。
「端から紹介するわ。こちらのキツネさんは……」
「おい、ぶんぶく! 宴会場は何処なんだよ?! ここがそうなのか? 雪見酒か? 雪山遭難気分の変わった酒飲みなのか?」
 そう言うのは黄金毛色の真んまる愛らしい子狐。一升瓶を抱えてクルクル周囲を見回してます。
「ゴンちゃん、落ち着いてな。宴会場じゃないってな」
「なんだよ! お前がドジョウ掬いをヤリ放題の会場があるって言ってたじゃねぇか?!」
「大丈夫だって、大丈夫。ゴンちゃん十八番のドジョウ掬い。良い頃合いでやって貰うから。皆期待してるんだよ? 割り箸、鼻に刺し過ぎちゃって鼻血出しちゃうってオチを」
「そうそう、こうピューッて綺麗に放物線描いて、こんなん出ました~って……おいっ! それは芸じゃねぇ! 去年やっている最中にお前が背中を押したせいじゃねぇか!」
 笑うぶんぶくに怒るゴン狐。
 明らかに酔っ払っいの二人。
 愛らしい容姿から未成年ではないかとの心配も、堂々と酒を呑む様子からそうではないと分かる忠左衛門。
 でも、明らかに心配です。別の意味ですが。
「えっと、ぶんぶくさん……それで、こちらの方は?」
「あ? あ~はいはい紹介ね。まずはこちら白ヤギのユキ爺さんね」
 紹介見れば、タップリの口髭で温厚そうな顔立ちの白山羊さん。杖を持つ手がプルプル震えております。
「ば……ば……」
 白山羊さん、何か言いたげです。
「はい?」と忠左衛門が耳を貸します。
「ば……婆さんや。わし、黒ヤギさんの年賀状、食ってしまったかのぉ? 返事を書いた方がええかのぉ?」
「ユキ爺さん、もう年末だよ~。来年にしなさいな、来年に」とぶんぶくが笑いながら突っ込みました。
 だ、大丈夫か? 不安になります忠左衛門。
 そして白山羊さんの隣には、厚い毛糸のニット帽を被って顔にはマスク。完全武装の防寒具を着ながら更に褞袍を羽織る。ぷっくり真ん丸に太った方に見えます。男性か女性かも区別が付きません。
「ぶんぶくさん……こちらは?」
「あ~こちらもね、ユキさんなの。雪女の雪子さんね」
「えっ、雪女!?」
 忠左衛門が驚くと、付けていたマスクをもそもそと動かしながら雪女が喋ります。
「……あの~私、こんな時期に外に出るのマジ勘弁なんですけど。手足の先が痛く成るほど冷たくなるし。腰も関節も痛くなるし。トイレも近いし……」

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