一瞬のスパーク/ティンクの口笛/クリティカルヒット。
ティンクの水晶ヒールが、旧式のコアを貫通。赤い死神の錐は、旧式のコアである青い水晶(心臓電池)を跡形もなく割砕いていた。
「アハ」
ティンク、ヒールを抜き取り、動かなくなった女児を見つめた。女児に空いた、ポッカリとした穴と目が合った/穴と、目が/穴が、目を/穴は彼女を深淵より見つめている。
—-中身がもっと見たい。
ティンクは、女児のピンクのワンピースをまず、素手で引き裂いた。真珠貝のボタンが弾けてお星様みたい、彼女/ティンク/妖精の目が宝石のように輝く。続けて白いお腹へと、妖精はスピネル・カラーのネイルを突き立てる。
—-中身が見たい。ティンクの純粋な好奇心。
裂かれて行く薄い皮膚、徐々に露わになる、人工臓器の色。ティンクのキラースマイル。あと少し、あと少し、あと少し。
「ステイ、ティンク!!!」
ティンクは声の方に首を向ける。
声の主は金髪緑眼の少年/翠玉髄“クリソプレーズ”の緑の翅を持っている/彼は弔いの緑の衣を纏っていた=ティンクとの対象色相/滲み出る知性の色/年長者の纏う落ち着き。
「ピート!ねぇ、中身が見たいの!」
ティンクの相棒=監視役・ピートは、長く溜息を吐く。
「コアの回収。および旧式の廃棄。
それが僕らの本当の仕事だ。
コアだって、本当は破壊しないにこしたことないんだぞ!マザーが見逃してくれているのをありがたく思っておいた方がいい。
ほらほら、仕事が済んだら役者は即退場だ。
帰るぞ」
「つまんない!つまんない!つまんない!つまんない!つまんなぁあああいッ!!!」
ティンクの爪が冷えきった人工臓器を切り裂く/飛び散る赤い血液—–ティンクの翅とよく似た、スピネル・レッド。
「この子の血は紅いのね。アタシみたい!