ツイート 王を弔うために聞いた初音ミクのクラシックをまた口ずさんだ。遠い過去から、同じ魂を持つひきこもりたちの叫びが僕を少しだけ救う。 千本桜 夜ニ 紛レ 君ノ声モ 届カナイヨ。 桜はただ突っ立って深呼吸し、花を咲かせて散っていく。植物のように世界の傍観者のままでいたかった。どうやったら甘く溶けて消えられるのだろうか。 答えがほしくて、砂糖いっぱいのココアを一口飲んで息を吐いた。一杯のココアの中に僕が溶けていく。だけど王が死ぬ前のように、ココアで酔うことはもはやできなかった。 10/10 前のページ 3月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10