小説

『ブレーメンの音楽隊』多田正太郎(『ブレーメンの音楽隊』)

色々含んでいるな。
ほー、色々の含みとは?
まず、見捨てられ、かた。
年相応なのか、心身が、よ。
ずっとなのか?
少しの間なのか?
消沈が、よ。
受け入れた運命。
これへの、な、思いとかよ。
あらあら、随分並んだことよ。
年取るのも、難しいんだなぁ。
イメージ、よりも、よ。
はははは、お前のは、どんなイメージよ。
笑うことない、べさ。
ここで、べさ、かよ、はははは。
おいおい、笑ってる場合でないぞ!
約束の期限、期限!
おっ、そうだつたな!

同じような境遇のイヌ、ネコ、ニワトリ。
彼らはロバの提案に賛成し。
ブレーメンへと足を進めた。
日も暮れ。
明かりが灯る家に気づいた。
中では泥棒たち。
よし、追い出そう!
それぞれの役割をこなす。
お化けだ!

そうかぁ。
よたよた、そんな感じだったのかもなぁ。
よたよた?
老いるってことでさ。
うーん、よたよた、なぁ。
ロバは、イヌ、ネコ、ニワトリ乗せたよなぁ。
イヌは、ネコとニワトリ、をな。
ネコは、ニワトリをさ。
ニワトリは、たしかとび乗ったんだぜ。
三匹の上にさ。

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