小説

『ブレーメンの音楽隊』多田正太郎(『ブレーメンの音楽隊』)

濃い霧の中。
兄弟の旅人が二人。
ブレーメンの町に、むかっていた。

連中の演奏よー?
どうかしたか?
うん。
なんか変か?
だってよ、それがどんなのか、分からんだろ
まぁ、そうだよなぁ。
まぁ、も、なにも、それ結構大切だろ。
うん。
どうする?
どうするって、言ったってなぁ。
だけど、なんとかよ。
そうだな。
とにかく、まずやってみようぜ。
ああ。

人間に、見捨てられた。
年老いた動物たちが。
意気投合して。
運命を切り開く・・。

大体こんな、ストーリーだけどな。
だけど?
お前、感じないか?
感じるって、何を、だよ?
主役務める、かつて働き者だった、ロバ。
ブレーメンに行って、音楽隊に入ろう!
ここよ。
ここ?
どうして、ブレーメンなんだ?

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