小説

『ブレーメンの音楽隊』多田正太郎(『ブレーメンの音楽隊』)

どうして、音楽隊に入ろう、なんだ?
ど、どうしてって、つたってよー。
ブレーメンに行けばよ、そこの音楽隊にさ。
採用してもらえる、と思ったんだろ。
全く、感じてないんだな、お前よ。
何だよ、それ、俺の感性、つてこと?
それ鈍麻、いや、麻痺、してるってことかよ!
どうして、いつも過剰反応なんだ、全くよ。
そういう過敏さ、役立たせる場面よ。
だいぶ違うんでないの。
おやおや、言ってくれるもんだな。
ちょっとした切っ掛けでよ。
言いにくい事、をな。
さりげなく、よ、普通の感性の人は、な。
おおお、皮肉で反撃かよ。

まぁなぁ年取ると、こんな感じのやり取り。
そういう気力も、無いだろな。
それが、年取るつてことかも、な。
少なくとも、その表れの一つ。
そんな印象、感じるなぁ。
で、成就よ。
おやおや、突然どうした、成就だと?
ああ。

人間に、見捨てられた。
年老いた動物たちが。
意気投合して。
運命を切り開く・・。

それは、分かったって、ストーリーは、な。
これ、を、よ。

見捨てられた。
年老いた者が。
意気消沈した、が。
運命を受け入れ・・。

と、したら、つてな。

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