黒い海流がウズマいた
モモは落雷で目がくらんだ
黒砂糖のようなコオニたちはかたまって
大きな島のカタチを海に流れるモモに見せた
こっちに、おいで
こっちに、おいで
黒い海流がモモをはこんだ
大波小波
キリュウ荒れる真っ暗な海なのに
モモは潮水すら飲みこむこともなく
黒砂糖の濁流に支えられて
クロい三角菓子のようなオニガシマへと
打ち上げられた
桃の良い香りがシマに満ちた
モモを運んだ黒い川も
モモが立つこの岩礁のように見えるシマも
溶岩が冷えた大地ではなく
チイサナ クロイ コオニたちのアツマリだ
たくさんたくさん あつまって
とうとうモモをひとりじめ
サア、タベテシマオウカ
ナクナッテシマウゾ