またアイタイね
またオイカケタイね
さみしいキモチを小さくしたいかのように
コオニ達のたくさんは
だんだん だんだん
黒砂糖のように、どんどん海に溶け出してゆきました
とけた黒いコオニたちで
海はいっとき、まっ黒け
でも、くじらがひと打ち
波間をジャンプして海面を打つと
その鯨のあけた波間の穴から
海は青い色をとりもどし
もとの静かな海へとかえっていきました
モモを追っていたコオニたちも
黒いオニガシマも、もうありません
深く沈んでいったクジラの残した波も
ちゃぷりとなだらかな海に小さくとんがって
もう消えました
さわぎはもう
みんな
なくなった
なくなった
どんぶらこ
そんなおおきくない
とんぷかこ
もっとちいさい